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Netflix「イル・モストロ:フィレンツェの怪物」は、イタリア史上最も恐ろしい連続殺人事件を基に描かれた実録サスペンスドラマ。1970年〜80年代にかけて8組のカップルが惨殺された未解決事件を、関係者の証言や公文書を基に徹底再現しました。キャスト情報とともに、事件の真相や「ハンニバル」への影響までを詳しく解説します。
- 2025年/イタリア/全4話
- 原題:Il Mostro
- 配信:Netflix
- リリース:2025年10月22日
- オフィシャルサイト
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あらすじ

イタリアのフィレンツェ市で、8組のカップルが殺害される連続殺人事件が発生。それは、1970年代〜80年代の17年間にも渡って続き、人々は恐怖に駆られました。
凶器はいつも同じ22口径のベレッタ。この事件は”フィレンツェの怪物事件”と名付けられ、イタリア史上初にして最も残忍な連続殺人事件となりました。
いまだに未解決事件であるこの事件をNetflixがドラマ化。実際の事件、関係者の証言、手続き書類、取材調査を基にシリーズ化された「イル・モストロ:フィレンツェの怪物」では真実を追います。
長い時間の経過と調査を経て、多くの者が怪物の可能性を秘めた人物として浮上しました。本シリーズは、その怪物になり得る者たちにフォーカスを当て、彼らの視点に立ちます。
登場人物
ステーファノ役/マルコ・ブリッタ

演:マルコ・ブリッタ
イタリア出身の俳優マルコ・ブリッタが、最初の犠牲者バルバラの夫ステーファノを演じます。スペイン語と英語を操り、語学や美術の能力も持つ多才な俳優。舞台や映画での実績も豊富で、演技に定評があります。
サルヴァトーレ役/ヴァレンティーノ・マニアス

ステーファノとロマンチックな関係にあるサルヴァトーレを演じるのは、イタリア出身の俳優ヴァレンティーノ・マニアス。舞台俳優としてキャリアを積み、イタリア演劇界で最も権威ある賞ウブ賞を受賞するなど、国内トップクラスの演劇賞を複数受賞している実力者です。
- バルバラ役/フランチェスカ・オリア(犠牲者)
- フランチェスコ役/ジャコモ・ファッダ
- ジョヴァンニ役/アントニオ・ティンティス
- リリアナ・ボットーネ
- ジョルダーノ・マヌ
実際の事件とその後
実際の事件

1974年9月14日
イタリアのフィレンツェ郊外ボルゴ・サン・ロレンツォ。ぶどう畑の近くに停められた車から、男女の遺体が発見されます。男性は銃撃により即死、女性は96ヶ所もの刺し傷がありました。
1981年6月6日
結婚式を控えた男女が買い物に出る際に殺害されます。男性は射殺、女性は射殺されたうえに数十ヶ所の刺し傷がありました。この付近では若いカップルをターゲットにした覗きが横行しており、覗き魔の1人が逮捕されました。
1981年10月22日
カレンツァーノのバルトリーネ。車内から男女の遺体が発見されます。遺体には他殺の痕跡がありましたが、6月の事件の犯人が拘留中であったため捜査陣はパニックに陥ります。
1982年6月19日
モンテスペリトリで男女の遺体が発見されます。男女は射殺されていました。
1983年9月9日
ドイツ人男性2人の遺体が発見されます。2人は射殺されており、その内の1人は長髪だったため女性に間違えられたと考えられました。
1984年7月29日
デート中の男女が撃たれます。女性は即死、男性は8時間後に死亡。現場近くで不審な50代男性が目撃されるも、のちに事件とは無関係と判明しました。
1985年9月7日〜8日
サン・カシャーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーザでキャンプをしていたフランス人の男女が殺害されます。男女はテントで寝ていたところを銃で襲われ、女性は即死、男性はテントの外へ逃げようとしたところを射殺されたとみられました。
同一犯の可能性がある事件とその後|「ハンニバル」への影響
同一犯の可能性がある事件
1968年8月21日
フィレンツェ郊外シーニャの林付近に停車していた車から男女の射殺体が発見されます。車内には女性の子どもが同乗していたものの熟睡しており、事件に気づかず無事でした。
被害女性の夫が殺人容疑で逮捕され、懲役6年の判決を受けました。1つ目の事件が発生した1974年頃は収監中であったことから、フィレンツェの怪物事件と同一犯である可能性が指摘されています。
公式には同一犯と断定されていませんが、多くの研究者はこの事件を“フィレンツェの怪物事件の原点”とみなしています。
1980年代後半
娼婦が殺害された事件で使用された凶器が、フィレンツェの怪物事件と同様の物である可能性があります。
その後|映画「ハンニバル」への影響
1993年、農夫の男性が容疑者として逮捕されます。
しかし、男性は犯行を否定したまま亡くなりました。係争中の1988年2月22日に73歳で心臓発作により死去しています。
こうしてフィレンツェの怪物事件の真相は闇の中へと消えていきました。この事件が未解決となってしまったのは、警察の初動捜査のミスです。
未解決に終わった最大の理由は、1968年の事件で起きた誤認逮捕にあると言われています。当時、被害女性の夫が犯人とされ有罪判決を受けましたが、後の調査で別の人物による犯行の可能性が浮上しました。
警察は長くその誤りを認めず、真犯人の捜査が遅れたことで事件は長期化。結果として、真相は解明されないまま”フィレンツェの怪物事件”は幕を閉じることになります。
警察の捜査ミス、誤認逮捕、捜査の迷走といった”フィレンツェの怪物事件”の構造的な問題点は、アメリカの小説家トマス・ハリス著書「ハンニバル」に影響を与えたのではないかとも言われています。
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「イル・モストロ:フィレンツェの怪物」©Netflix,Inc
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