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【アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件】第9話・最終話ネタバレ考察と徹底解説。

クライム
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【アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件】第9話・最終話ネタバレと徹底解説。ファーマン刑事の問題のテープは裁判の評決にどんな影響を与えるのか。RottenTomatoesで94のスコアを叩き出した大ヒット作、ついに最終話。

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【O・J・シンプソン事件】第9話・最終話あらすじ

  Rotten Tomatoes評価  
 93%  94%
TOMATOMETER                  AUDIENCE SCORE

弁護側は、過去に脚本家への取材でファーマン刑事が「ニガー」と発言した録音テープを手に入れる。

検察側は、裁判には直接関係がないと抗議するが、このテープには判事イトーの妻への中傷もあり、審理無効の可能性も出てきた。

クリスは、審理無効になればファーマン刑事を除いた形で裁判を一からやり直せると考えたが、マーシャは審理無効によるリスクを恐れていた。

あと一歩で勝利を掴めるはずだったコクランも、審理無効になることを嫌がった。

彼は判事に口外しないよう言われていたにもかかわらず、このテープを公開するべきとメディアに訴える。

日系のイトー判事の妻は白人警官。ファーマンは人種間の結婚を中傷した。
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【O・J・シンプソン事件】第9話ネタバレと解説

マーシャは、証拠以外は無関係であり、陪審員にテープを聞かせないようイトー判事に訴えるが判事は世論を気にし、陪審員不在の法廷でテープを公開すると告げる。

陪審員不在と言っても、この裁判はテレビ中継されているので、テレビを見れない陪審員も面会に来た家族を通して情報を知る事が出来る状況だった。

公開されたテープは最小限だったためコクランは怒り、マスコミに不満をぶちまける。

渦中のファーマン刑事は全ての質問に黙秘権を行使する。

ファーマンは、以前に「ニガー」という発言をしたことがないと法廷で誓ったので、偽証罪に問われる可能性があった。

しかし、弁護側はそれを逆手に取り「報告書に改ざんと捏造をしたか」と尋ねる。

ファーマンは、それにも黙秘権を使ってしまった。

O・Jは、「ファーマンが俺をハメたことになった!」と大喜びする。

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【O・J・シンプソン事件】最終話ネタバレと解説(前半)

最終弁論 検察側

マーシャは、「ファーマン刑事が人種差別主義者だったからと言って、被告人が無罪なわけではない。多くの証拠に対し、弁護側は反証を行わず、仮説をばらいまいただけ。弁護側が反証できなかった証拠だけ見て欲しい」と、改めて証拠をあげた。

●現場には被告人と同じサイズの30cmの靴跡があった。
●被告人の毛髪が現場の帽子と、被害者のシャツに付着。
●被告人宅の手袋には、被害者2人の血痕と被告人の血痕が付着。
●手袋は被告人と同じ特大サイズ。
●被告人はその手袋をよく使用していた(証拠画像示す)。
●敷地内には被告人の血痕が付着。DNA鑑定で証明済み。
●被告人の靴下にニコールの血痕が付着。
●裏門に被告人の血痕が付着。

クリスは、ニコールが生前「度重なる暴力、その度に通報し夫に殺されると訴えるが警察は何もしてくれない」と言っていたことをとりあげ、「そんな警察が被告人をハメるのか」と問う。

これはNワードではなく、彼が犯した殺人の裁判」と訴える。

そして、ニコールが命を守るため離婚を申請した事実被告人からの脅迫状や殴られた証拠写真を貸金庫に保管していた事実を訴えた。

最終弁論 弁護側

これに対しコクランは以下のように述べる

●家庭内暴力を行っていたからといって殺人犯というわけではない。
●ファーマン刑事は過去発言から嘘つきであり、その嘘つきが発見した手袋であり、そんな彼を証言させる検察は信用できない。
●手袋が合わない。合わないなら無罪にするべきだ。
●無罪評決を出すことで世論に影響を与える。

実際、裁判所外はマスコミはもちろん、無罪を望む人や有罪を望む人たちでごったがえしていた。

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【O・J・シンプソン事件】最終話ネタバレと解説(後半)

陪審員評議

陪審内で評決が行われたが、有罪は12人中2票だけだった。

有罪票を投じた白人女性は、「証拠を見れば明らかで、弁護側があえてそこを反証しなかった」と発言。

黒人男性(黒人は全員無罪票)は、「手袋が合わなかった」と指摘。

それに対し、陪審員長を務めた黒人女性が「手袋が合わなかったように見せただけ」と答えたものの、「検察が立証できたとは言えない。」と答えた。

世紀の裁判の評決は4時間の速さだった。

無罪

無罪が下され、O・Jは歓喜する

カーダシアンは、自分の判断で彼を野放しにしてしまったことへの罪悪感に苛まれる。

検察側は茫然とする。

マーシャは会見で「家庭内暴力の被害者のための裁判だった。」と語る。

クリスは「無罪になって被害者のご遺族に顔向けができない」と泣きながら語った。

クリスはゴールドマンの遺族から抱擁を受けた

コクランは、クリスに「黒人社会に戻って来られるよう手を尽くそう」と語りかけたが、クリスは「黒人社会から離れてない」と前置きし、「O・Jは黒人ゆえに無罪になった初の黒人だ」と告げた。

釈放されたO・J

O・Jは大喜びで家に戻るが、道中それに共感しないで不満をぶつける人たちを見て不思議に思う。

家族たちは歓迎したが、ニコールの子供たちはニコールの父母の反対でいなかった。

早速パーティーを始めようとするが行きつけの店に断られ、かつてのゴルフ仲間がひとりも来ないことを知る。

そしてついにカーダシアンも去っていく。

その後の裁判で子供たちの親権は、ニコールの父母からO・Jに移る。

O・Jは後にテレビ番組のインタビューで、殺害現場で被害者2人の前でナイフを手に取り、気づいたら血まみれになっていたと笑いながら語っている。
しかし、アメリカの憲法によりO・Jはこの事件に関しては2度と刑事裁判で起訴される事はない

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【O・J・シンプソン事件】考察

このドラマがヒットした理由は過去の事件を再現したからではなく、視聴者に投げかけたメッセージが心に響いたからではないかと思われる。

クリスの、「O・Jは黒人ゆえに無罪になった初の黒人だ」というセリフは大変印象深い。

昨今、欧米では行き過ぎたポリコレにより、ドラマや映画でも時代考証を無視した黒人や黄色人種のキャスティングなど、文化も歴史も破壊するような風潮になっている。

黒人奴隷が出てくる【風と共に去りぬ】(1952)は毎年行われていたテキサスの劇場での上映が2017年に中止になり、2020年にはHBOの配信が停止された。

クリスも苦労して実力で大学に入ったのに黒人枠での入学を疑われ、悔しい思いをしたと語るシーンがあるように、弊害になっている事が多々見受けられる。

これは果たして本当に人種問題の解決になっているのだろうか。

コクランの人種問題を利用したやり方は、裁判外での人種間の対立を煽った。

対して、クリスが白人であるゴールドマンの遺族の抱擁を受けたシーンは印象的だ。

これはクリスの誠意が遺族に伝わったからだろう。

クリスこそが真の人種間差別をなくす象徴として描かれているように思われた。

最後の、クリスとマーシャが友情を深め、仲良く検察を後にするシーンが、制作側の言わんとしているところではないだろうか。

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