天陽の願いを叶えたいというなつの強い想い、大人の都合で犠牲になっている子供たちの想いをくんだ泰樹は、山田家の開拓に協力することに……。
このままでは今年も来年も、その先も作物は育たない。
そんな土地を泰樹は……。
『なつぞら』
12話あらすじ
「自分を信じてい頑張ればきっと誰かが助けてくれる」という泰樹の言葉を信じたなつ。
山田家の開拓を手伝ってほしいいうなつに、当初「無理だ」といっていた泰樹でしたが、それはなつを裏切ることになる。
泰樹は、まずは山田家が開拓しようとしている土地を見てみることにしたのです。
土地は荒れており、このままでは今年どころかずっと作物は育たないだろう。
「何もしなければ……」
その日の夜、泰樹と剛男、富士子となつは、山田家を訪れました。
泰樹は、3年いや5年かかるかもしれないが方法はあると言いますが、天陽の父・正治は乗り気ではないどころか、「無茶を言わないでください」の一言。
天陽は「自分がやるからお父さんは今の仕事を続けていい」というと、正治は「みんなの事情を考えろ」と言うのです。
これに対し泰樹は、
「事情なんかクソ食らえだ!大人の事情でこの子らはどうなった?この子らに何をやったんだ、大人は!いまはせめて、この子らが何をやりたいのか、子供の話だと思わず、そのことを今こそ大人がきちんと聞いてやるべきだろう」
出典:NHK連続テレビ小説『なつぞら』12話から引用
そして後日、山田家の土地には泰樹の呼びかけで集まった十勝の人々や山田家、なつや泰樹たちの姿があったのです。
『なつぞら』12話の見どころ
今回の泰樹の言葉から、何の罪もなく犠牲になった子供たちへの想いが溢れていました。
身勝手な戦争を引き起こした大人への怒り、それで誰が一番犠牲になったのか、それは子供たちです。
親と引き裂かれた子が、どんな思いで生きてきたのか、泰樹もなつからそのことを学んだのだと……。
子供の未来を一番に考えたからこその泰樹の言葉には、とても重みがあります。
何年かかっても、ここを豊かな土地に生まれ変わらせる!この荒地を我々の子孫に誇れる、美しい我が郷(里)の風景に変えんじゃ!
出典:NHK連続テレビ小説『なつぞら』12話から引用
これからの未来を背負っていく子供たち、彼らが本当にやりたい事を”大人の事情”で諦めさせることはしたくなかったのでしょう。
また、「自分を信じていれば必ず誰かが助けてくれる」と言った責任もありますし。
泰樹に、諦めなかった過去の自分を思い出させてくれたのはなつでしたね。
今回のことで、なつは更に泰樹のことが大好きになったようで、泰樹もまたなつが愛おしくてたまらない様子。
なつの少女時代は今回で終わりですが、次回は広瀬すず演じるなつの登場です。
予告では、天陽も大きくなって、畑では作物が育っていました。
『なつぞら』12話を観た感想
なつの子供時代はとても印象的で、人との繋がり、開拓や作物を育てることの厳しさ、食料事情など当時の様子が手に取るように分かります。
戦争のこと、兄のことや妹のこと、孤児院でのことなど暗いシーンもありましたが、それはそれで楽しい展開でした。
何より、過去と現在のなつの笑顔の違いに驚きです。なつの幼少時代を演じた粟野咲莉の笑顔には、このドラマにピッタリの雰囲気があり素朴さがあります。
一声かければ、一丸となって助けてくれる。これが人と人をつなげる大切な役目を果たしてくれているのです。
現代では、昭和のような”醤油の貸し借り”や”お裾分け”という日本文化や、ご近所付き合いすら失いつつあるような時代へとなってきました。
古き良き時代といっても、もちろん良いことばかりではありません。しかし、その時代だからこそ学ぶことも多いのは確かです。