『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』8話(最終回)のネタバレ感想。純が下した選択とは?

ドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』8話(最終回)のネタバレ感想。

今回は最終話ということで、純は、紗枝ともマコトさんとも向き合いました。

結果、純がどのような選択をしたのかが見どころのひとつ。

また、余韻を残すドラマの終わり方も話題に!

純の言葉の続きはいったいどんな内容だったのでしょうか!?

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『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』8話(最終回)のあらすじ

「終業式は来てね」と紗枝に頼まれていた純は、登校を決意し、紗枝と向き合うことにしました。

終業式の当日。紗枝は壇上にて、純とのことをスピーチします。教師と生徒がざわつく中、純も壇上にあがり、全校生徒の前で紗枝とキスをするのでした。

後日純は、亡くなった友人・ファーレンハイトの家を訪れることに。彼との生前の約束を果たすためです。

ファーレンハイトの遺影を目にした純は驚きを隠せませんでした。なぜなら、ファーレンハイトは、実は中学生だったのです。

その後、純はケジメをつけることを決意します。紗枝との交際、そしてマコトさんとの交際。

果たして、純が出す答えとは……?

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『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』8話(最終回)のネタバレ感想

ファーレンハイト

純は、紗枝と共にファーレンハイトの家を訪れました。生前のファーレンハイトとの約束を果たすためです。

いざ家のチャイムを鳴らすも、ファーレンハイトの本名が分からないため言葉が出てこない純。なんとか「亡くなられたご家族のCDを受け取りに来ました」と言葉を繋ぎます。

玄関から出てきた母親は、ファーレンハイトから純のことを聞いていたようで「あなたが純さん?」と問いかけました。

隣の紗枝をチラチラ見ながら「ゲイだって聞いたけど……」と言う母親。紗枝は即座に「元カノです」と返答。

それにしてもこの母親。「彼女のことを大切に思えたなら、それはゲイが治ったと言えるのでは?」と言ったり「(ゲイが)治らなかったのね」と言ったり、純の心をえぐるような言葉ばかり。

純のような人たちを受け入れられない典型的なタイプという印象でした。受け入れてくれない母親と一緒に暮らしていたファーレンハイトは、さぞ苦しんだことと思います。

その後、ファーレンハイトの部屋に入ると、そこには彼の写真がありました。写真の中のファーレンハイトを見て驚く純。

それもそのはず、彼はなんと15才の中学生だったのです。

ネットで純とやり取りしているときは20才だと言っていたファーレンハイト。チャットトークの内容を見る限りでは、とても中学生には思えないほど達観していました。

ファーレンハイトとのやり取りを思い出し、涙を浮かべる純。

今まで、ファーレンハイトは声だけの出演で、声優が演じているからなのか、どうもリアリティが薄かったんですよね。

けれど今回、少しだけ彼本人の声が聞こえるシーンがあって、涙がこぼれました。とてもリアルな中学生の声だったから。リアルな声と共に、彼が亡くなったという現実が一気に押し寄せてきました。

紗枝との別れ

東京に戻る前に、海ではしゃぐ純と紗枝。そして2人は、クイーンの曲を聴きながら、これまでのことを思い出していました。

純は、意を決したような表情で「大阪に行くって決めた」と話します。そう言えば以前(入院してすぐ)大阪に引っ越すという話を母親としていましたね。

「僕のことを何も知らない人たちの中で、これまでとは違う生き方ができるかどうかを試したい」という純。

自分のことを誰も知らない場所に行きたくなる。といった衝動は、何度か経験があるので共感しきりでした。

純の言葉を聞いた紗枝は、明るい声で「別れよう!」と言いました。きっと本心では、純のことがまだ大好きなはずですが、それを態度に出さない紗枝が素敵な女性だと思いました。

大阪に行くことを決めた純。ということは、前回の壇上キスは”別れ”の意味も含まれていたのかもしれませんね。

マコトさんとの別れ

引越し間近の日曜日。純はマコトさんと遊園地デートに来ていました。

遊園地での2人のやり取りはとても自然で、”アドリブかな?”と思えるシーンが満載でした。
しかし、微笑ましいシーンはすぐに終わり、シリアスな話に。

マコトさんは、自分も純と同じぐらいの年齢のときは悩んでいたと言います。今よりはるかにゲイが世間に認められない時代だったと。

確かに、マコトさん世代の人は、”本当の自分”を隠して生きることを強いられてきたのかもしれませんね。

そして「妻を助けるよ」と言うマコトさん。以前純が「僕と奥さんが溺れたらどちらを助ける?」と質問したときの答えです。

マコトさんが妻を助けるのはきっと愛情の差ではなく、マコトさん自身がそういう人生を選択してきたからなのでしょう。

ゲイであることを隠して生きる選択、家族を持つ選択。だから妻を助ける。マコトさんの人生は一貫してますね。

はっきりと「別れよう」とは言わない2人でしたが、マコトさんの「さようなら」の言葉には別れのニュアンスが含まれていました。

純も別れを悟ったのか、帰り道で涙が溢れてきます。

マコトさんとのシーンは好きだったので、別れてしまい残念です。でも確かに「妻を助ける」と言われてしまったら、それ以上は相手の心に踏み込めないですよね。

自己紹介の続きは何て言った?

4月、大阪。大学生になった純は、自己紹介でどんなことを言おうか母親と考えていました。

そして、いざ自己紹介が始まり、純の番がまわってきます。

「初めまして。東京から来た安藤純といいます。僕は」

と言いかけたところでドラマはTHE・END。純がどんな自己紹介をしたのか、視聴者に余白を残す終わり方でした。

「僕はゲイです」と言ったのか、それとも「僕はクイーンが大好きです」と言ったのか。答えは分からないけれど、いつか自分で自分を認め、自分と折り合いをつけられる日が来るといいですね。

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『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』全体の感想

良かった点

攻めた内容が面白い

1話の冒頭から金子大地&谷原章介のキスシーンが映された時には目を見張りました!

その後も、男性カップルならではの内容を掘り下げたり、とてもNHK放送とは思えません。しかも、ただ内容が攻めているだけではなく、ちゃんと胸に刺さるんですよね。

原作者がゲイの当事者だということで、ゆえに、苦しみや心情にリアリティがあったのだろうと思います。

リアリティがあるからこそ胸に刺さる。そんなドラマでした。

ヒロインの自然な演技

ヒロイン(と呼んでいいのか分かりませんが笑)を演じた藤野涼子の演技がとても自然で素晴らしかったです。

等身大の女子高生という感じで自然。それでいて、惹かれるパワーも持っている女優さんだと感じました。主人公の純が、”三浦さんなら好きになれる”と思うのも納得のパワーと存在感。

また、純を演じた金子大地も、繊細さをうまく表現していて素晴らしかったです。純が苦しみに押しつぶされるシーンは、何度も涙しました。

表現が胸に刺さる

本作は、全体を通して表現が文学的で胸に刺さりました。

①空気摩擦の話

②カテゴリー分けして世界を簡単にする話

③BL星の話

などなど、どの話も味わいがあって聞き入ってしまいました。

残念だった点

ファーレンハイトの声が軽すぎる!?

ファーレンハイトは、純のネット上の友人で、声のみの出演でした。”あえての演出”なのかもしれませんが、重い話のときでも常に声が軽くて違和感がありました。

特に自殺をした前後では、純の演技が重いのに対して、ファーレンハイトの声が軽く、アンバランスに感じたことも。

7話の演説

7話の紗枝の演説は泣けましたし、刺さる言葉もたくさんありました。ですが同時に、”暴露される純が気の毒”だと思ってしまったんですよね。

また、7話のラストで2人が壇上でキスをしましたが、その理由も分からなかった。

純がなぜキスをしたのか、その心情がもう少し描かれていたら、もっと感動できた気がします。

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Writer

Kino

アジア古装劇を愛するライター、kinoです。涙腺の緩さに定評があります。
古装劇以外だと、BL作品も大好きです。マイベストは【月に咲く花の如く】と【山河令】。

ストーリーを分かりやすくお伝えできるよう心がけておりますので、最終話までお付き合い頂けると嬉しいです。

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