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ドラマ『後妻業』第2話のネタバレ解説と考察。「悪女」の本当の顔とは!? それぞれが抱える苦しみが奥深い!

2019冬ドラマ

ドラマ『後妻業』は、話が進むにつれて、小夜子をはじめとする登場人物たちの「人生の悲しみ」が本筋だと分かってきました。

そして、絶妙なタイミングで流れるエンディング曲が、ドラマを盛り上げるのに一役かっているとネットでも評判に。

ここでは、『後妻業』第2話の、ネタバレ解説と考察をお届けします。

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ドラマ『後妻業』第2話の解説・考察

“結婚詐欺” と “後妻業”の違い

【結婚詐欺】……結婚を匂わせ、「親の治療費が払えない」「難病を患っている」といった様々な理由で、相手からお金を騙し取る。

【後妻業】……老人の後妻もしくは内縁関係となり、法律に従った方法で遺産を手に入れる。

驚きなのは、後妻業を掛け持ちする女性が多いという事実です。掛け持ちをしているため“通い婚”という形を取ることが多く、まさに本作の小夜子も通い婚でした。

そして最大の問題点は、老人ターゲットの生死に手を加えてしまうこと。毒を盛る明らかな犯罪行為もあれば、塩分を過剰摂取させるといったグレーゾーンの行為もあります。

本作の小夜子はグレーゾーンにあたる行為をしていましたが、今後の動向からも目が離せません。

公正証書遺言とは?

第1話で小夜子が「じいさんには公正証書も書かせた」と言っていましたが、この公正証書遺言というのは、後妻業を行う上で一番重要なものです。

【公正証書遺言】……法律のプロが仲介人(公証人)となって作成する遺言書。

何種類かある遺言書の中で一番効力が高いため、家族であっても公正証書遺言の内容を覆すことは困難とされています。ですので、”後妻業”に遺産を根こそぎ取られたあとで遺族がいろいろと訴えても、どうにもならないということですね。

本作でも、小夜子が”公正証書遺言”を振りかざして「遺産を全部相続するのはうちや!」と言っていました。

このシーンだけを見ると小夜子が完全な”悪女”に見えてしまいますが、冷静に考えると実はそうとも言い切れません。というのも、”公正証書遺言”は、耕造が公証人に伝えた内容を元にして作成されたものだからです。つまり、遺産を小夜子に相続させるという内容は、耕造の意思なのです。

遺人・耕造の意思である以上は、相続の権利を主張する小夜子を単に”悪女”と言い切れないわけです。他の部分では”悪”がありましたけどね……。

耕造の心情考察

耕造に限らず、高齢で結婚する人たちの多くは、愛情うんぬんよりも“残りの人生を豊かに過ごしたい”ということに重点を置いているそうです。ですから、おそらく耕造も、心から小夜子に愛されているわけではないということを、心のどこかで気付いているのかもしれません。

隠し持った財産を小夜子に秘密にしていたのも、心からは小夜子を信用していなかったからではないでしょうか。信用しきれていないけれど、それでも小夜子をそばに置くのは、やはり”寂しさ”が一番の理由でしょう。ふたりの娘と疎遠であり続けたことも、耕造の寂しさを加速させたのではないでしょうか。

総合して考えると、おそらく耕造は、小夜子が自分の財産を欲していることを承知の上で内縁関係になったのではないかと推測します。後妻業を決して肯定するわけではありませんが、お互いが結婚を納得しているなら、耕造のような余生の過ごし方もひとつの選択として有りなのかもしれません。

もちろん、夫婦の本分と道徳は守るという大前提ですが。

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ドラマ『後妻業』第2話の感想

複雑だけれど奥深い

今回の第2話は、とても複雑な気持ちになる回でした。本作は”後妻業”の視点で描かれているため、誰を応援したらいいのか・誰に感情移入したらいいのか分からず、気持ちが迷子になるのです。

ですが思うに、本作は”善”と”悪”を二分化せずに、善悪どちらもごちゃ混ぜにして描かれているところが魅力ではないかと。

後妻業vs被害者家族という構図も、単純な悪vs善でないところが深いです。

具体的な内容を挙げると、耕造の娘たちは、被害者家族だからと言って”善人”として描かれているわけではありません。「耕造を在宅介護しないといけないかも」という話になった時、娘たちはお互いに、耕造の在宅介護を押し付けあっていました。

さらに、耕造の葬儀の費用に関しても「そんなに出さなきゃいけないの」と不満げな様子の娘たち。そんな娘たちを見ていたら、耕造が小夜子に財産を譲ったのも理解できる気がしました。愛情の真偽は別として、少なくとも小夜子は構造の寂しさを埋めてくれる存在だったのでしょうから。

とは言え、小夜子が”善”かというと決してそうではないのです。これまで何度も、意図的に高齢男性に近づいて遺産を手にしているわけですから、決して”善”とは言えません。ですが完全に”悪”かといわれると、それもまた違う気がするのです。

小夜子に限らず、本作で登場するのは、善・悪・悲しみ・業といったあらゆる情念を背負っている人物ばかり。ですから、誰に対しても何かしら共感できる部分がありますし、誰かを憎む気持ちもあまり湧きません。

次回の第3話では、小夜子の”本当の顔”がさらに見えてきそうで楽しみです!

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ドラマ『後妻業』の今後の予想

自殺の幇助を担った後妻業?

次回の予告動画では、小夜子が「どのじいさんにも殺してくれって頼まれた」と言っていました。このセリフから、小夜子たちは自殺の幇助を担った後妻業なのではないかと推測します。

もしそうであるなら、これまでの小夜子の言動が、まるっと違う意味に見えてきますし、小夜子が時折り悲しげな表情をしていたことも、第1話で疑問に思った数々のセリフも、全ての説明がつくのです。

前回はブラックコメディ色が強いドラマという印象を受けましたが、話が進むにつれて、悲しみに満ちた物語なのかもと感じ始めています。小夜子がなぜ”後妻業”に身を埋めてしまったのか、そこにも深い悲しみの理由がある気がしてなりません。