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『テス』ネタバレあらすじと感想。英国文学の傑作がBBCでドラマ化!波乱万丈の人生に涙が止まらない!

キャスト

海外ドラマ『テス』。1891年にトーマス・ハーディにより発表された『ダーバヴィル家のテス』がBBCによりドラマ化。

貧しい行商人のテスの父が、自分が貴族の子孫だと聞かされたことがきっかけでテスの運命が大きく変わることに……。

美しいイギリスの田園を舞台に波乱万丈なテスの人生を描いた『テス』の見どころと感想をお伝えします。

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『テス』の作品概要

【製作国】

イギリス・アメリカ

【監督】

デヴィッド・ブレア

【脚本】

デヴィッド・ニコルズ

【原作】

トマス・ハーディ「TESS OF THE D’UEBERVILLES(ダーバヴィル家のテス)」

【主要キャスト】

テス役:ジェマ・アータートン

エンジェル役:エディ・レッドメイン

ジョアン役:ルース・ジョーンズ

アレック役:ハンス・マシソン

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『テス』あらすじ

19世紀の終わり、イギリスのドーセット地方ののどかな村に生まれ育った貧しい行商人の娘テス。ある日、父親のジョンが自分が貴族ダーバヴィル家の子孫の血を引いていると知り、テスをダーバヴィル家へ向かわせました。

家族の生活のためにダーバヴィル家で働くことになったテスは、ダーバヴィル家の息子・アレックから好意を寄せられます。度重なるアプローチにもアレックに興味を示さないテス。しびれを切らしたアレックは、祭りの帰りにテスを強引に乱暴してしまいました。

失意に陥ったテスは、ダーバヴィル家から逃げ出し実家へ帰ってきます。そしてアレックの子を密かに出産しましたが、生まれた子はすぐに亡くなってしまったのです。

その後、農場で働き始めたテスは、エンジェルという男性と出会い恋に落ちるも、運命の歯車はすでに狂い始めてたのです。

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『テス』の見どころ

美しい原風景

イギリスの田園風景はとにかく美しい限りです。

ドラマの中でも、五月祭というお祭りで少女たちが白いドレスをまとい、綺麗な緑色の草原で踊っていました。その姿をみるだけでウットリしてしまうほど美しい風景が広がっています。

それに対し、薄汚れた家の中でのシーンでは貧しいなかで生きる厳しさをより一層感じさせられます。イングランド南西部に位置するイギリス・ドーセット地方は、目立った工業は持たず主な産業は農業でした。

現在では、観光がドーセットのもう1つの産業の柱となっています。ドラマでも出てきましたが、有名なストーンヘンジも近くにあります。(ストーンヘンジの場所は厳密にはドーセットではなく、ウィルトシャーです)

テスの不幸の始まり

道行く人に顎の形が似ているからというだけの理由で、テスに貴族の血が流れていると言われた父親は大喜び!なんとか貧しい暮らしから脱したいとの思いから、テスがひとりでダーバヴィル家に送り込まれます。

テスは田舎育ちで、とてもピュアな少女。父親から命じられ素直に従います。。年齢は10代半ばくらいでしょうか。子どもはどうやったらできるの?くらいのレベルで男女の関係に関しては全くの無知です。

そんな彼女がアレックスから乱暴され妊娠、出産となるのですから、本人にとっては本当に辛く悲しい出来事だったということが想像できます。

妊娠して実家に戻った時に「どうしてこんなことに……」と動揺する母親に対して「だって何も教えてくれなかったじゃない!」と泣いて訴えました。母親の罪は重いですね。母親も、まさかこんな事態になろうとは夢にも思っていなかったのでしょうが。

テスの産んだ子は私生児だったため、洗礼を受けさせてもらえませんでした。洗礼を受けていない子は、亡くなってもキリスト教徒として埋葬してもらうことはできません。

テスは、なんとか神父に懇願しますが、彼女の願いが叶うことはなかったのです。

敬虔なキリスト教徒にとって、洗礼を受けずに亡くなれば天国へは行けないという考えがあるため、テスは絶望のどん底に突き落とされました。

神父から洗礼を受けさせてもらえなかったテスは、自らで行うことにします。もちろんこんな事をしてもキリスト教徒として認めてもらうことはできないのですが、母親として我が子のために何もせずにはいられなかったテスの気持ちを思うと胸が苦しくなってしまいました。

つかの間の幸せ

子どもを亡くし、農場で乳しぼりの仕事を始めたテスは、五月祭で見かけた青年エンジェルと出会います。甘いマスクのエンジェルは、乳しぼりの女子たちのアイドル的存在です。

そんなエンジェルが見初めたのがテスでした。2人は恋に落ちますが、テスは自分の過去を秘密にしていることが心苦しくてなりません。母親からは決して口外してはならないと強く言われていたのにも関わらず、結婚したその日につい打ち明けてしまいます。

そこからのエンジェルの急変ぶりに驚きでした。自分も結婚前に年上の女性にのぼせ上っていたと告白したくせに、テスの件は”それとこれとは話は別”という感じです。

エンジェルも、テスの身に起こった悲劇は彼女に非はないと理解はしているものの、受け止めきれないという器の小さい男でした。

結局、その話を聞いたエンジェルはすぐにテスを置いて単身ブラジルへ……。しかし、ここでも宗教問題が関係してきました。キリスト教徒として離婚は許されません。エンジェルから「離婚はしないけど、一緒にも暮らさない」と言われたテスにとって残酷な結婚生活となりました。

救世主アレック?

テスが去った後、程なくして母を亡くしたアレックは、聖職者として改心していました。

しかし、再会したテスの現状を知ったアレックは、さっさと心変わりして昔のアレックにもどってしまいます。テスの家族に金銭的援助をするという条件のもとテスを愛人にしたのです。

この頃のテスはエンジェルにも見捨てられ、どうにでもなれ状態だったのでしょう。エンジェルからの連絡もなく金銭面でも行き詰ってしまったテスには、他に手段はなかったので仕方ありません。

実はエンジェルは、テスがお金の無心に来たら渡して欲しいと、自分の親にお金を預けていたのですが……。テスは、一度は両親の元へ行こうとしましたが、途中で引き返してしまったのです。ここでも神様がテスに味方することはありませんでした。

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『テス』の感想

不幸の道を突っ走っていったテスのラストに涙が止まりませんでした。

純粋な心を持っているがゆえに陥っていく不幸の数々。

愛するエンジェルが、ようやく心を決めてテスの元に戻ってくるのが遅すぎました。

一見アレックは悪い人に見えますが、実は彼なりにテスを愛していたのです。

エンジェルは良い人でも、よくよく考えると自分勝手じゃないかと思えたりと、スポットを当てる人によってさまざまな見方ができ、深く考えさせられるドラマでした。