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【クィーンズ・ギャンビット】のネタバレと解説。2020年Netflix最高傑作と大評判!

ヒューマン

【クイーンズ・ギャンビット】ネタバレと解説。孤児となったエリザベス・ハーマンは、チェスの才能で神童と呼ばれるようになる。その後エリザベスは裕福な家庭に引き取られ、彼女の人生は順風満帆に行くかに見えたが……。

原作The Queen’s Gambit ウォルター・テヴィス著 邦訳なし

© Netflix,lnc.
公式サイト

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キャスト

ベス・ハーモン役/アニャ・テイラー=ジョイ

母親の死により孤児院に送られる。シャイベルと出会ってチェスの才能を開花させた。

シャイベル役/ビル・キャンプ

孤児院で用務員をしている。チェスに興味を持ったベスに手厳しく教えを授けた。

ジョリーン役/モーゼス・イングラム

孤児院でベスの友人となる。

ベニー・ワッツ役/トーマス・ブロディ=サングスター

全米チャンピオンだったが、ベスが彼を打ち負かす。

ハリー・ベルテック役/ハリー・メリング

ケンタッキー大会で出会い、その後ベスとチェスを研鑽する。

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【クィーンズ・ギャンビット】のあらすじ

ベスことエリザベス・ハーモンは、交通事故で母親を失い孤児院に送られた。

  • 孤児院ではビタミン剤と偽って精神安定剤を孤児達に飲ませていた。
  • ベスは孤児院でジョリーンと知り合いになる。

この2つの出来事は、彼女の生涯に大きな影響を及ぼすのだった。

ある日、黒板消しを叩いてくるよう教師に言われたベスは、地下室でひとりチェスをしているシャイベルと出会う。

チェスに興味を持ったベスはシャイベルに教えを乞う。

シャイベルは子供のベスに対して手厳しくチェスを指導した

ベスの実力を認めたシャイベルは、ベスを高校生と多面指し(将棋教室などで先生が多数の生徒を同時に相手にすること。)をさせる。

ベスは高校生全員を負かした。

神童の誕生である。

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【クイーンズ・ギャンビット】ネタバレ

ベスに訪れた転機

ほどなくしてベスは、孤児院からウィートリー家に引き取られる事になる。

母親となるアルマ・ウィートリーは、優雅にエリック・サティーのジムノペディを弾いていたが、あがり症が酷くプロにはなれなかったとベスに話した。

養母アルマはベスがチェスに興味を持っている事には関心が無く、ベスには普通の女性として育って欲しい様子だった。

アルマはいつもベスにタバコと精神安定剤を雑貨屋に買いに行かせていたが、ベスがふと手に取った雑誌にチェスのケンタッキー選手権の知らせが載っていた。

何とか大会への参加費5ドルを捻出して参加するも、ベスにとっては初めての事ばかり。

大会どころかプレーヤーのランク付け、時間を計る時計の押し方さえも知らないベスは会場で知り合ったタウンズ、アネットらにルールなどを教えてもらう。

ところが、ベスは優勝最有力候補のハリー・ベルテックを倒し優勝してしまった。

そんな折、ベスは母から養父がアメリカ南西部で拘束されているとの知らせを受ける。

チェスには全く関心が無かったアルマだが、収入が断たれたこともあり、ベスが大会に勝てば賞金が入ると知って態度を変えた。

アルマは以後、ベスのマネージャーとしてベスの試合に同行するようになった。

そして養母と同行したメキシコでの世界大会。

ベスは順調に勝ち進んだが、最後にチェスのグランド・マスターであるロシア人棋士ボロゴフとの最初の対戦に破れてしまう。

ホテルに戻ったベスは敗戦を母親に報告していたが、彼女が気付くと母はベッドの上で亡くなっていた。

原因は肝炎だった。

シャイベルの死

再び孤独になったベスは、長らく音信不通の養父と連絡を取ると、父から家はベスに譲渡すると言われた。

ベスは自宅でハリー・ベルテックとチェスを研鑽、その後ベニー・ワッツともチェスの勉強に励みパリの大会に望む。

パリでは、ベニー・ワッツの友人である女性とボルゴフとの対戦前夜に飲み明かしてしまう。

それが決定的な原因では無かったものの、ボルゴフと2度目の対戦も負けてしまった。

その後、ベニー・ワッツやハリー・ベルテックと疎遠になってしまったベスに、かって孤児院で友人だったジョリーンが会いに来た。

ジョリーンはベスにシャイベルが亡くなった事を告げた。

ベスはシャイベルの葬儀にジョリーンと共に出向いた後、孤児院の地下室を訪れた。

地下室の壁はシャイベルが貼ったベスの記事で埋め尽くされていた。

しかし、ジョリーンはベスを応援していたのはシャイベルだけでなく、自分もベスを応援してたといって勇気づけた。

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結末、モスクワでの世界大会。

3度目のボロゴフとの対戦。

試合は長引きボロゴフが封じ手を申し出て、試合は翌日まで延長された。

※封じ手:次の手を紙に書いて封をし、再開時に開封して書き留めた手から再開するという物。

ホテルの部屋に戻ったベスはタウンズと再会。

タウンズは記者としてモスクワに来ていたのだ。

その直後ベニー・ワッツから電話が入る。

ベニーだけでなくハリーやベニーの友人達も加わって、雑誌に載ったボロゴフとの対戦棋譜を基に、皆は必死で翌日の対戦に向けてベスにアドバイスをした。

大団円となって皆がベスの手助けをする

しかし、流石はグランド・マスター、ボロゴフは誰もが予想しなかった手をベスに繰り出して来た。

ベスはチェス盤すら無かった幼少期の頃のように、天井に想像上のチェス盤とコマを描いて動かす。

ベスの善戦にボロゴフはドローを申し出た。

ドローならば同率チャンピオン。

しかし、ベスはそれを断りボロゴフと対戦を続けて遂にボロゴフから勝利を勝ち取った

空港に向かうタクシーに乗っていたベスは、付添のブースに断りタクシーを降りて少し街を歩く。

広場で老人達がチェスを指していたが、シャイベルを思い出したのかベスはその中のひとりの老人の対戦の申し出を快く引き受けて対戦するシーンで【クィーンズ・ギャンビット】は終わる。

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【クィーンズ・ギャンビット】の感想

日本のNetflixのランキングは、ほぼアニメと韓流で埋まっていますが【クィーンズ・ギャンビット】はここの所アメリカではランキング1位。

ImdbやRottenTomatoesでも高評価。

こうして見ると後半は、ほぼチェス会場とホテルのシーンばかりなのに気付くと全7話見終えていました。

それくらいテンポが速くて面白い。

困難を切り抜けたと思った途端に次の難問がやってきて、それでもベスが困難に打ち勝つ様は、HBOの【シリコンバレー】みたいに起承転結がハッキリしていてドラスティック。

孤児院送りからプロ棋士となり、グランド・マスターを打ち負かすストーリーは痛快そのものでした。

60年代の再現も凄い。

最近はめっきり見なくなったル・コルビジェ風の建物や内装などの建築物、車、(多分現代風にリファインしていると思われますが)ファッションなど60年代へのこだわりが凄い。

また、60年代と言えば冷戦。

「ボロゴフにはKGBが付いている」「ボロゴフのサインを見ていろ」など、辺りのセリフはボロゴフが亡命するかも知れないから警戒して欲しいという事なのでしょう。

またベス・ハーモンの服はどこで手に入るのか?といった方向にも人気は拡大しているようです。

欲を言えばモスクワのデジタルマットペインティングが、絵とハッキリ判ったのが残念。

もうひとつ残念な点は、原作が完結していて続編は無さそうなことだ。

ベスがテレビで見ているショッキング・ブルーのVenusはバナナラマがカヴァーして有名になった曲。

ベニー・ワッツ役のトーマス・ブロディ=サングスターは【ゲーム・オブ・スローンズ】のジョジェン役、ハリー・ベルテック役のハリー・メリングは【ハリーポッター】シリーズのダドリーを演じています。

クィーンビショップフォー?とは(棋譜の読み方)

QR1QN1QB1Q1K1KB1KN1KR1
QR2QN2QB2Q2K2KB2KN2KR2
QR3QN3QB3Q3K3KB3KN3KR3
QR4QN4QB4Q4K4KB4KN4KR4
QR5QN5QB5Q5K5KB5KN5KR5
QR6QN6QB6Q6K6KB6KN6KR6
QR7QN7QB7Q7K7KB7KN7KR7
QR8QN8QB8Q8K8KB8KN8KR8

映画やドラマなどでKB4などのセリフがイマイチ判らなかったので調べた所、上の表のように64マス全部に名前が付いています。

クィーンとキング以外の駒は左右対称なので左半分がQR、QNとなり、右半分がKB、KNのようになり、駒が最初にある位置が1となります。

この表を使って言えば、クィーンズ・ギャンビットとは初動で(ドラマで何回も登場するチェス・オープニング)Q4、K4にポーンを進める事

尚これは指し手が黒側の場合で、指し手が白側の場合は棋譜の数字は逆になります。

これはダブルスタンダードでややこしいので70年代以降は横は左からa~h、縦は上から1~8の数字を用いる方式にチェスの棋譜は変更されました。

こちらの棋譜は【ハリー・ポッター】第1作で確認出来ます。

孤児院でベス達が見ていた映画は【聖衣】(1953)米、リチャード・バートン、ジーン・シモンズ

日本人に馴染みのないチェスという事もあり翻訳の出ていなかったウォルター・ディビスの小説『クィーンズ・ギャンビット』は、本作のヒットを受けついに翻訳が新潮社より発売。