Netflixドラマ『Naked(ぜんら)監督』シーズン1ネタバレ。
ビデオ監督の村西とおるが営業マンから転身して図書販売の世界に飛び込んで、同じジャンルでのビデオ制作を開始。
女優・黒木香に出会って業界のトップになるまでを描いた『Naked監督』シーズン1をネタバレ解説します。
キャスト紹介
村西とおる/山田 孝之
英語教材のセールスマンだったが、バーで助けた荒井トシに導かれ、図書販売の世界へと向かう。
荒井トシ/満島 真之介
村西の手助けをするチンピラ。
川田研二/玉山鉄二
本を出版していたが、村西に出会って彼と運命を共にする。
三田村康介/柄本 時生
黒沢映画と騙されて連れてこられ、村西のビデオ制作にかかわる。
黒木香/森田望智
横浜国立大学教育学部美術学科の生徒だったが、イタリア留学の費用を稼ごうと女優を志願する。
武井道郎/リリーフランキー
池澤に都合のいいように動く刑事に見えたが……。
池沢/石橋凌
ビデオ業界大手ポセイドン企画の社長で村西のサファイア映像を潰そうとする。
古谷伊織/國村 隼
ヤ〇ザで、裏では池沢や武井とも繋がっている。
監督/武 正晴
原作/本橋信宏『Naked監督 村西とおる伝』
『Naked director(ぜんらかんとく)』のあらすじ
村西の運命を変えた2つの出会い。
村西とおるは北海道で英語教材のセールスマンをしていたが、彼が営業成績トップを取った次の日に同僚が会社の金をくすねて逃亡。
途方に暮れた村西が普段より早く自宅へ帰ると、村西の妻幸子は、なんと郵便配達の男と……。
ショックで自宅を飛び出てスナックで飲んでいた村西は、荒井トシが他の客に絡まれているのを助けた。
これがきっかけとなり、村西は裏の世界を見せてやると言う荒井トシが音声テープを収録するのに付き合う。
そして村西はトシの音声テープの販売に手を貸す。
営業マンだった村西は瞬く間に音声テープの販路を拡大。
その後、図書、特に修正のない物が儲かると村西達は知る。
もちろん〇を見せるのは違法なので、ほとんどの出版社では断られたが、図書の撮影をしていた川田研二の下を村西達が訪れると、川田は村西に「あなたならどうする」と問うのだった。
すると、テキパキと女優にポーズの指導をして行く村西の姿を見た川田は「あなたのような人を待っていた」と言って以後、村西達と行動を共にするようになる。
何度も逮捕される村西とおる。
本の販売は順調に行き、北大神田書店という店を構えて支店を次々と拡大していった。
北大神田書店の勢いに目を付けた池沢は、村西の北大神田書店を全部買取たいと申しでるが村西はそれを拒否。
警察の検問にも、川田が絵本と称する札束を入れた本を地元道警察に渡して乗り切っていたが、東京からやってきた武井刑事には通用せず、村西は違法図画販売で逮捕されてしまう。
出所した村西は東京へ行き、サファイア映像を設立しビデオの制作に取り掛かる。
なぜなら、1980年代はビデオデッキとレンタルビデオショップが勢いよく拡大して行く時代だったのだ。
かって村西の本の販売に手を貸していたヤ〇ザ古谷に、撮影所を手配してもらい撮影を開始する。
そして古谷は、村西に池沢と武井刑事がつるんでいた件で、村西は逮捕された事を教えたのだった。
黒沢映画を撮るなどと騙して、照明担当三田村康介、カメラ担当ラグビー後藤、メイク小瀬田順子のスタッフを用意した。
池沢が社長を務めるポセイドン企画の作品を見た村西は女優の顔が死んでいる、全く演技してないとして、女優の演技や演出に拘ったビデオを制作したのだった。
しかし、それは全く売れなかったので、村西はポセイドン企画の女優みくに金を積んで引き抜いて作品を作る。
鉄道員の夫を亡くした未亡人役みくを、駅弁を販売するという内容で……ということだった。
しかしみくは、全く村西が求める演技が出来なかったため村西は別の方法を決心する。
村西は本物を追求する事にこだわっていたのだ。
それを聞いた俳優が嫌だと逃げてしまったので、ラグビー後藤が代役を務めて撮影を再開。
みくは気合の入った演技を見せ撮影は上手く行った。
しかし、ポセイドン企画の池沢の背後にいる武井刑事が動きみくは捕まってしまい、更に追い打ちをかけるように池沢は女優がサファイア映像の作品に出演しないよう締め出しを図る。
そして、池沢が主導している規制委員会では村西の作品を自主回収を求めた。
村西は規制委員会への加盟を拒むが、それはサファイア映像の販路を絶たれたも同然の危険な行為だった。
困っていた村西達を助けたのは、みくが捨てたサファイア映像の名刺を頼りに村西を訪ねてきた佐原恵美だった。
ネタバレ
黒木香の誕生。
撮影所にやって来た佐原恵美(黒木香)を面接する村西。
なぜ君は出演したいの?という村西の問いに佐原恵美は「イタリアに留学する資金集め」と答えた。
村西とおると、黒木香との運命の出会いだった。
村西が佐原をハグし、面接はそのまま撮影となる。
「君の好きな色は何だ?」と村西が佐原に聞くと「黒です。」と佐原は答えたので、村西は「今日から君は黒木、黒木香だ。」という。
佐原恵美は「はい。」と答えた。
ここに黒木香が誕生した。
そして村西は「大事な黒木香のデビュー作だ、後日取り直す」と言って一旦撮影を終了した。
アイデア
先日、池沢達に言われた事を受けて、規制委員会のルール通りに行く事にする村西。
村西にはあるアイデアがあった。
トシに笛を買いに行かせると、村西は黒木との撮影を開始する。
黒木が笛を吹くという村西のアイデアだった。
視聴者の目を笛の音の方へと逸らす村西の作戦だった。
こうして撮影を終えた黒木香のデビュー作だったが、以外な所から妨害を受ける。
佐原恵美の母親、佐原加代/小雪が作品の販売を中止して欲しいと委員会に訴えた。
サファイア映像は委員会に加盟していないにも関わらず、委員会は販売を停止してしまう。
ラストまで。
万策尽きた村西は、ハワイの飛行機の中で撮影するというアイデアを思いつき実行に移す。
撮影を無事に終え、打ち上げパーティをしていた村西を待っていたのは、アメリカ当局による逮捕だった。
村西とおるには懲役370年というとてつもなく長い刑の判決が下った。
当時は日米貿易摩擦の真っ最中で、村西とおるは見せしめとされたのだった。
村西を司法取引で釈放する為に、川田とトシは全力を尽くす。
何とか再販売にこぎつけたが、レンタルビデオチェーン店社長(ピエール瀧)には、池沢からの圧力がかかっていて売れるという証拠がなければ置けないといわれる。
そこで川田は、黒木香をテレビに出演させるなど、彼女を全面に押し出して販促をする。
黒木香のルックスと、彼女の超個性的な語り口は瞬く間に若者の人気を集め、遂にメルヘンは独占販売する決断を下した。
一方トシは、撮影所からマスターテープを持ち出して古谷の下へ走り、ビデオを制作して村西釈放の資金を作った。
トシが作った金と、ビデオの売り上げで保釈金80万ドルを用意して、司法取引でようやく村西は釈放された。
しかしトシは、精神的苦痛のせいか薬物に手を出してしまい、それを知った村西は保釈金を用意したのはトシであると知っていたが、苦渋の決断でトシを解雇する。
時代は昭和から平成へと切り替わろうとしていた。
年号の切り替え前にビデオ業界の取り締まりに走る警視庁。
池沢率いるポセイドン企画は作品を制作していたが、それが摘発の対象となり、池沢は逮捕されトシもビデオ制作の咎で逮捕されてしまう。
池沢は古谷に裏切られたのだ。
その一方で、トシを解雇していた村西は安泰だった。
刑期を無事に勤め上げたトシは、古谷らヤ〇ザから迎えられる一方で、池沢は刑務所で首を吊っていた……。
見どころ。
細部にまで拘った昭和の再現。
営業マン時代の村西が仕事をサボってやっているインベーダーゲーム(版権の都合の為か良く似せた別物)や80年代を席巻したウォークマンや当時の分厚くてゴッツイビデオデッキなどの小道具もさることながら、80年代の歌舞伎町を再現したセットまで大から小までの拘りが半端ない。
これは予算に余裕のあるネットフリックスならでは。
セットや小道具のみならず、ビデオテープは巻き戻して返却する等(店によっては罰金を取られた)細かな点も再現されている。
また、随所に80年代やバブル期の映像が挿入されていて、昭和の映像を2k~4k映像で見るというギャップもまた楽しい。
村西とおるになり切った山田孝之‼
『Naked director』シーズン1を見た感想は、山田孝之が凄い、の一言に尽きます。
何がどう凄いのかと言うと、古舘伊知郎に少し似た村西とおる独特の解説口調や、この役の為にわざわざ太ったという体形など、山田孝之の役作りに対する執念が凄い、まるで村西とおるを見ているようです。
また黒木香のクセのあるセリフを再現した森田望智にも拍手を送りたい。
ピエール瀧の出演
ビデオ店店長役でピエール瀧が出演していますが、これには村西とおる本人がこんなツィートをしています。
ピエール瀧さまの再活動。ごもっともなこと。裁判長さまは「社会内活動を通じて罪を償いなさい」と執行猶予をつけてくださった。謹慎してただ反省の日々を送るのであれば刑務所で過ごせばいい。以前にもまして華々しい活動をされ、ファンを楽しませて欲しい。勇気が必要な数百万人の前科者たちのために
— 村西とおる (@Muranishi_Toru) August 10, 2019
Netflixは懐が深いというかこれもネット配信ならではなのかもしれませんね。
本作の脚本は『ナルコス』の脚本チームの監修を受けたようです。
起伏の激しい展開やラストで待ち受ける裏切りなど見ていて視聴者を飽きさせないオススメの作品です。