「君子盟(くんしめい)」27話・28話・29話(最終話)のネタバレ感想|心が揺さぶられる最終話まで

バディ
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「君子盟」第27話・第28話・第29話(最終話)のネタバレあらすじ。

すべての悪事が太后の権力欲から発したことが判明しました。辜清章は自分のものを取り戻すまでと復讐を誓いますが、その復讐は民衆を混乱させ巻き込んで顧みないものです。

友情か、正義か。蘭珏はどちらを選ぶのでしょうか。そして張屏は?

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「君子盟」これまでのお話

君子盟,相関図,キャスト

ある目的のため暗躍する麗しき官僚と天才的推理力を持つ貧乏書生。
正反対の2人が都で起きる不可思議な事件を解決しながら、宮廷内の「禁断の秘密」へと迫る-
美しき男たちの熱い絆とスリリングな展開に胸躍る、極上のミステリー時代劇!

「君子盟」ドラマ公式サイト

張屏は含元殿で太后を刺殺したとして捕えられてしまいます。辜清章は張屏を告発した蘭珏をようやく信頼します。そして、朝廷内でも既に辜清章はある人物に連絡を取っていました。彼自身の身分を知れば、必ず味方になる人物、そして誰もが一目置いていて耳を傾ける人物。それは……

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27話:真の龍の血統

太后が刺殺され、張屏が連行されました。太后なき今、計画は変わらないのかと尋ねる蘭珏に辜清章は始めて計画の一端を漏らします。王位を取り戻し、そして退位する。

天下の才のある人々が王位を争うことができるだろうと笑う辜清章に、蘭珏は天下が大混乱に陥るのではないかと危ぶみ尋ねます。

宮中にも辜清章を後押しする人物がいるのだろうか?尋ねる蘭珏に後で誰かがきみに接触してくるだろうと辜清章は言い残します。

柳太傅は朝臣を夜中に宣政殿に集めます。理由もわからず、うろたえる一同。突然、角笛が鳴り柳太傅が現れました。「太后のお怪我が悪化し突然 お亡くなりになりました。」淡々と告げる柳太傅に、誰もが驚きを隠せません。

皇帝は新征のため遠く南方にいる今、政治に空白が起きることを懸念したのです。

柳太傅は翌日の夜十一時から、千秋儀大典と葬儀を同時に予定通り行うと宣言し、解散させました。それから蘭珏を呼び止め、真の皇帝が太后の葬儀で即位するので式典を滞りなく準備するよう命じました。

千秋儀大典に参加するために諸国の藩王も都に集まっていて、大雍国軍は南方に居ます。もし、藩王たちが王位を争うことになれば、都ばかりでなく国中で騒乱が起きてしまうでしょう。

宮中に残っているのは金吾衛のみです。蘭珏は急いで曹将軍に会いに行きました。

含元殿で太后を刺殺したのは辜太医だと告げ、刺された太后は偽物で本物は辜太医がどこかに匿っていると言います。

太后に長年仕えてきた應熹公公や将軍を遠ざけたのも偽物がバレないようにするためで、現在偽の太后に仕えている劉公公は辜清章の密偵だと説明すると、曹将軍はその話は張屏の証言とも一致すると納得しました。

手分けして本物の太后を探し辜清章の計画を阻止ししようと一刻を争う一行。千秋儀の中に太后がいるのではないかと目星をつけ、張屏と熊副将は暗渠を使って千秋儀に忍び込むことになりました。

蘭珏は張屏達が証拠をつかむまで時間稼ぎをするため、葬儀を執り行うことにして、別れます。

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蘭珏は、明日の葬儀を前に蘭府の旭東や飛星、流雲たちに金を渡して逃がそうとします。万が一の場合は、蘭府に類が及ばないように全員を逃がすつもりです。

一方、暗渠の入り口で張屏は陳籌と会います。手伝いに来たと言って同行することを宣言します。まっくらな暗渠を千秋儀目指して進む三人は途中で、欝金香の軟膏の匂いに気が付きます。

水銀も床に落ちています。いずれも偽の太后が身づくろいに使ったものです。この暗渠を偽の太后が運ばれたのでは、と思い付きます。

そこに突然矢が飛んできます。辜清章の部下に三人は見つかってしまいました。逃げながら、目についた扉に駆け込む三人。結局掴まって連行されていきます。

辜清章が現れ、「旧情をもってしてもこの状況ではもはやきみを助けることはできない」と言います。太后をどこに隠したか尋ねる張屏に辜清章は、ここにはいないと返事します。

「私たちのことは気にせず、曹将軍に伝えてくれ」叫んだ張屏におもむろに熊副将は、持っていた小刀で腹部を刺し、辜清章の前にひざまずき、忠誠を誓いました。

「苦若わかっただろう。彼は生き残るためにきみを裏切った。そんな人々を きみが命をかけて救う価値があるのか」辜清章は張屏に尋ねます。

「百万回だって同じことをする。あなたが憎む世界には母のような人もいる」一族の仇は取ってやるというと、泣きながら殺してやると暴れる陳籌に辜清章は「苦若の遺体を 頼みたい」と言い残して去ります。

葬儀は滞りなく進み、出棺の時間が近付きました。突然、「もう一人 太后に別れを告げていない重要な人物がいる」と柳太傅が言い出します。

「太后の実子、連れ去られていた真の龍の血統」宣言する柳太傅に騒然となる昭徳殿。辜清章が静かに昭徳殿に入ってきました。

風が吹き、扉が閉ざされ外で騒ぎが起き始めます。「幽鬼だ!太后が 生き返った!」

感想

張屏が刺されて息を引き取った()ときにはびっくりしました。でもやはり、あまり悲しんでいない表情の辜清章を見て、兄弟のように数年間育っても、二人の間には情愛はなかったんだろうなあと感じました。摩籮村を後にした後、どれくらい苦労したのかわからないけど、阿娘と苦若の三人で暮らしていた温かい記憶はすぐに上書きされてしまったんだろうなあ。まあ張屏にも一切、兄に対する同情もないのでお互い様かも。

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28話:曇花 – 月下美人

外の騒ぎが収まり、扉を開けると棺の中にいたはずの太后が跪いていました。体を覆っていたのは血書です。

柳太傅の命で読み上げると、そこには太后が回生陣を装い民間の男児と皇子をすり替え、露見しないために摩籮族を皆殺しにして叛国罪で蘭林一族を誅したと告発されていました。

証拠の出生証明書を柳太傅、王太尉と竇尚書の三人で確認し、確かに話が符合することや掌紋や璽印も一致することから、誰も疑いをさしはさめなくなりました。「陛下を王座にお迎えします」柳太傅が呼びかけると他の人々も唱和します。

礼部の蘭珏が着せかけた龍袍を身にまとう辜清章。この時にいたっても張屏が現れません。蘭珏はやむなく小刀を抜き辜清章に切りかかろうとしますが、周りの人々に取り押さえられます。

「私はきみを唯一の真の友人だと思っている。その きみでさえ私の死を望んでるのか」辜清章は涙を流しながら声を絞り出すように尋ねました。

「選択の余地はなかったんだ」蘭珏も苦しそうに言います。「尚更 私が龍椅に座るのを見ていて欲しい」すべてに絶望した面持ちの辜清章は王座に座ります。

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そこに現れた張屏が、待ったをかけます。張屏は、元より皇子は入れ替えられていない、棺を開ければ証拠を見せることが出来ると言い張ります。場外で跪いているのが太后だというなら空の棺を開けても罰は当たらないと主張したのです。

棺の中にいるのが本物の太后で、跪いている女性は伴月楼から攫われて以来、ずっと偽物の太后として含元殿にいたと主張します。

つまり、呪禁科で陣の中にいた火傷を負ったときから入れ替わっていた、刺殺されたのもその偽物の女性で、殺された後暗渠に運ばれ葬儀の最中に扉の外に跪かされたのです。

本物の太后は小斂の儀式の後に入れ替わり、経絡に銀の針を刺され意識はあるけれど動けない状態で棺に封印されていると説明します。

棺を開けると、太后が無傷で横たわっていました。針を抜くとすぐに動けるようになると言われた通り、目を覚まし立ち上がります。

張屏は辜清章の出生証明書が偽物だという証拠に、彼の持っているものにはシミがないと説明しました。

当時、産後の衰弱で水疹が出た太后は掌から粘液がにじみ出て拭き取るのに苦心し、そのシミが本物にはあって偽物にはないというのです。

張屏の発言はハッタリでしたが、本物の出生証明書は聖なる湖の中から見つけて張屏が持っていたので、辜清章の手元にあるのは偽物だということはわかっていたのです。

辜清章はあっさりと証明書が偽物だと答えました。「お前はいつも 真実を主張してきたのだろう。なぜ今になって話すことを恐れるのか」

「昨年の科挙に現れた鏡湖氏はあなただ。太后を誘拐権力の簒奪を企てた。あなたは王になりたいだけの狂人だ」張屏は叫びますが、「では お前は…私が摩籮村の件も、蘭府の冤罪も企てたというのか。苦若お前は嘘をついている」と冷たく言います。張屏は言い返せずに黙りこんでしまいます。

辜清章は笑顔で太后に向かって「今宵、皇城のすべての月下美人の花はあなたのために咲き誇るんだ」と声を掛けます。血霧の毒を花のつぼみに仕込んで花が開けば毒が街中に広がりますと言い、土笛を高らかに吹きます。

月下美人が一斉に外で咲き乱れ、町は赤く染まり始めました。誰もが慌てて我先に逃げまどい始めます。

感想

信じていた知己にも裏切られて、真実だけを語るはずの張屏すら、欺瞞に満ちた嘘をつく。辜清章はもう、この時には世界のすべてに絶望しきっていたと思います。土笛を合図に開花させるという打ち合わせは、まだ辜清章が世界を信じていた証拠だと思うんですよね。もしかしたら、最後まで蘭珏が裏切らずにいたら、話が違ったかもしれないのに。太后の罪を暴いて断罪するには力が必要だから王位を狙った。退位したあとは天下の才のある人々が王位を争うことができるだろうというのは、別に諸侯たちを争わせたいんじゃなくて、自分の手は汚れ過ぎているから王位に相応しくないとわかっている、という意味だったんじゃないのかなあ。もちろん権力を望む浅ましい人々が全部死んでしまえばいいという怒りは持っていただろうけど。

阿娘が作ってくれたしおりをこの世の汚さで汚したくないから置いてきた、知己のために毒を代わりに飲んで死のうとした辜清章が、本当の彼だったんじゃないかと。

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29話:最終話

逃げ惑う人々に気を取られた蘭珏たちが目を離した間に、太后と辜清章は昭徳殿から消えていました。蘭珏と張屏はとりあえず人々を救うために奔走します。口と鼻を覆って風上へ、高い場所へ人々を誘導しなければなりません。

一方、辜清章は太后に町が見渡せる場所へと連れ出し、すべてが崩れ落ちる様を見せようとします。「私はただ一言 後悔しているとあなたの口から聞きたいのです。私もかつて あなたの心の中にいたのだと」

太后はそれでも頑迷に屈しません。街中の人々が死に、誰も自分の罪を知らない。私の名は永遠に美しいままだと、辜清章に感謝の言葉まで言います。それでは一緒に死にましょう。そう言って、辜清章は太后を置き去りにします。後姿に太后は叫びます。

曇儿!あなたの幼名は曇儿というのよ

そして、その直後赤い霧は太后の姿もかき消してしまいました。

三十年前。李妃は、宮中の曇花(月下美人)の花をすべて捨ててしまうように命じました。「でもこれは あなたの最愛の花でしょう」應熹公公はいぶかしみます。

李妃は玄機に赤子を預けるときに、この花を持って行くようにと月下美人の花簪を与えました。「曇儿という名前はあなただけのものです」李妃は戻ってきた赤子をその幼名で呼ぶことはありませんでした。

雨さえ降れば毒が空気中に飛散しないと張屏は思いつきます。引雨器の中に大量の塩を詰め込み火薬で火をつけ、塩を空高く撒き散らすと雲が雨に変わります。

しかし、引雨器は何年も使われていないので大砲で代用しようと思いつきます。

城門に大砲と弾薬を取りに行く班と、住民の避難を担当する班、塩を集める班と手分けして雲霄山で落ち合うことにします。蘭府から暇を出された旭東たちも協力を申し出ました。

住民の避難の声かけをしていた陳籌に学士たちも合流して手伝います。

既に街は赤い霧があちこちで立ち込めていました。辜清章は路地をあてもなく彷徨い、赤子の声が聞こえ立ち止まりました。

やはり、人は自分の命が惜しくなれば赤子を置いて逃げ出す、そんながっかりした表情を一瞬見せて泣いている赤子を抱き上げます。

私の復讐は成功した。赤子を抱きながら踊るようにして歩く辜清章。そこへ、若い女性が赤子を必死の形相で探しながら近寄ってきます。女性は、子供の顔を見て安堵し、礼を言って抱き上げて連れ去りました。

辜清章は「自分には命を顧みず、赤子を必死に探し回る母親はいなかった。」そんな諦めの笑みを漏らし、赤い霧が追いかけてくる方向へ戻っていきました。

一方、曹将軍は次々と大砲に塩と火薬を混ぜた弾を込めて、雲に向かって打ち込んでいました。「続けて填弹!」と叫びますが、もう弾は最後の一発まで打ち込み終えてしまいました。

雨は降る気配がありません。曹将軍は、これが天意なのかと肩を落とします。

そのとき、ようやく最後の避難民を連れて山に辿り着いた蘭珏と張屏は、崖から街を見下ろしました。

– 張屏、今日 死ぬことになるなら来世ではもう二度ときみとは 関わりたくない
– 私は鬼神も神様も信じないし来世も信じません
– 本当にきみには興ざめだ

そのとき、雨がポツリと落ちてきます。

「君子盟」© Tencent Technology (Beijing) Co., Ltd

日が変わり、雨が血霧の毒を洗い流して人心地ついた都ですが、毒の被害は大きく人々は沈んだ顔をしていました。そこへ吉報が入ります。皇帝たちが凱旋して帰ってくるというのです。王硯も無事、都の危機を聞き付けて急ぎ戻ってきました。

人々にも日常が戻り始めた頃、皇帝が張屏に会いに来ます。宜平県の県令に命じたのは太后一派がまだ残る朝廷で、実直過ぎる張屏が巻き込まれないように地方へと赴任させたのだと言います。

危険なので数年離れて外で学び、戻ってくるように命じます。帳簿をつけるのを手伝うと陳籌も宜平県へついて行きます。

大理寺には新任の大理寺卿がやってきました。着任早々「書庫の事件簿をすべて持ってこい」と王硯は命じます。

蘭府では旭東が感慨深げに、蘭珏にある提案をします。※ここはいくらネタバレとはいえ口外できません。是非ご覧になってください

ときは流れ、巡撫使に就任し皇帝に代わって各地を訪れていた蘭珏は、宣平県を訪れました。県令だというのに相変わらず麺を打っていた張屏。「五文銭がここにある。きみに麺でもおごろうか」と、久しぶりに会った蘭珏と張屏は笑い合います。

感想

最後の最後に衝撃のラストが待っていました。いやもう、このドラマ一番の驚きだったと言ってもいいかも。全然予想していなかったので、びっくりしました。年齢考えればおかしくないんだけどね・・・

それぞれの登場人物が全く親と合わせ鏡。ところで、あの素敵な皇帝はどこから来たんでしょう?いくら何でもその辺の子供を攫って来るほど無茶はしないだろうから、李妃の親戚筋とかだとは思うんですが。賢いし真っ直ぐ育った君子ですよね。

というわけで、鏡湖氏の登場から先はスピードアップしてあっという間にラスト!という感じでした。幻城で気に入って、晩眉と影でハマった汪鐸さんお目当てにちまちま作業した作品でした。謎解き大好きなのでとても楽しく視聴しました。詩や古典の引用も多かったのも楽しかった理由の一つです。また楽しいドラマでお会いできますように!

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