【ピーキーブラインダーズ】シーズン1ネタバレと解説。20世紀初頭のイギリスに実在したギャング集団、ピーキーブラインダーズを仕切るのは若きトーマス・シェルビー(キリアン・マーフィー)。彼は持ち前の頭脳と度胸で裏社会を背景にのし上がっていく……
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【ピーキーブラインダーズ】シーズン1のあらすじ
第一次大戦後のイギリス・バーミンガム。
偶然 大量の武器を手に入れたスラム街のギャング集団ピーキーブラインダーズの若きボス、トーマス・シェルビー(キリアン・マーフィー)は、これをチャンスに様々な交渉材料にと画策した。
一方、時の軍需大臣チャーチルは消えた武器を取り戻すため、アイルランドからキャンベル警部(サム・ニール)をバーミンガムに派遣する。
同じ頃、ピーキーブラインダーズ配下のパブ「ガリソン」では、バーテンダー兼歌手として雇って欲しいと謎の美女が現れ……。
【ピーキー・ブラインダーズ】登場人物・キャスト
トーマス・シェルビー役/キリアン・マーフィー
シェルビー家の次男であり、トミーと呼ばれているピーキーブラインダーズのボス。
頭脳明晰で冷静沈着、上昇志向が強くクールに見えるが実は情に厚く家族思いの人物。
第一次世界大戦で2度の勲章を受けた英雄だが、戦時中の悪夢に悩まされていた。
グレースと恋に落ち、悪夢から解放されるが……。
トミー役のキリアン・マーフィーはバッドマンのスケアクロウ【バッドマンビギンズ】(2005)【ダークナイト】(2008)で知られているアイルランド出身の俳優。
独特な瞳が印象的。
他にも【28日後…】(2002)【プルートで朝食を】(2005)【麦の穂を揺らす風】(2006)【インセプション】(2010)【ダンケルク】(2017)等、多数出演
グレース・バーグス役/アナベル・ウォーリス
グレースは、アイルランドから来た美しい女諜報員。
キャンベル警部の部下として、ピーキー・ブラインダーズの配下のパブ「ガリソン」のバーテンダー兼歌手となり、トミーに近づく。
警察官だった父をIRAに殺された過去を持つ。
グレース役のアナベル・ウォーリスは【THE TUDORS~背徳の王冠】(2007~2010)のジェーン・シーモア役で知られるイギリスの女優。
映画【ザ・マミー/呪われた砂漠の王女】(2017)や【映画キング・アーサー】(2017)にも出演している。
キャンベル警部役/サム・ニール
キャンベルは、消えた大量の武器を取り戻すためチャーチルに派遣された警部。
同僚の娘であるグレースを部下としてトミーたちを探らせる。
兵役を免除されたため、トミーや警官たちから軽蔑されている。
サム・ニールと言えば映画【ジュラシック・パーク】(1993)で有名なニュージーランドの俳優。
【THE TUDORS~背徳の王冠】(2007~2010)では、ウルジー枢機卿役を好演。
他にも【ピアノ・レッスン】(1994)【泉のセイレーン】(1996)【モンタナの風に抱かれて】(1998)【トレイン・ミッション】(2018)などの映画作品に多数出演している。
ポリー・グレイ役/ヘレン・マックロリー
ポリーはトミーたちの叔母だが、母のような存在でもある。
優れた洞察力を持ち頭も切れるので、トミーの相談相手であり良き理解者でもある。
5才と3才だった息子と娘を警察から無理やり引き離された過去を持つ。
ポリー役のヘレン・マックロリーは、【ハリー・ポッター】(2001~2011)のドラコ・マルフォイの母ナルシッサ役で有名。
【クイーン】(2006)【007スカイフォール】(2012)他出演
アーサー・シェルビー/ポール・アンダーソン
シェルビー兄弟の長男だが、周りから頼りにされない事に負い目を感じる。
よくボコボコにされたり、実の父親にまで騙され、金を取られたりすることも。
第一次世界大戦のトラウマがあり、うつ病に悩まされている。
アーサー役のポール・アンダーソンは【シャーロック・ホームズ シャドウゲーム】(2011)や【白鯨との戦い】(2015)、【レヴェント:蘇りし者】(2016)などに出演した。
ジョン・シェルビー/ジョー・コール
シェルビー兄弟の三男で、若くに妻に先立たれ4人の子供がいる。
娼婦リジー・スターク(ナターシャ・オキーフ)との結婚を希望するが、トミーたちに反対された。
泣く泣くあきらめたところに、敵対していたジプシーのリー家の娘エスメ(エイミー=フィオン・エドワーズ)と政略結婚することになるが、結婚式で初めて会いまさかの意気投合。
そんなジョンはいつも楊枝を咥えている。
ジョン役のジョー・コールは今最も注目を浴びる英国人俳優のひとり。
【グリーンルーム】(2017)や【暁に祈れ】(2018)では主演を果たしている。
【ピーキーブランダーズ】の見どころ
ピーキー・ブラインダーズとは?
ピーキー・ブラインダーズは、19世紀末からイギリスのバーミンガムに実在したギャング集団。
ただ、実際の「ピーキー・ブラインダーズ」が20世紀初頭に衰退したのに比べ、ドラマは1919年第一次世界大戦後から始まること、主人公のトーマス・シェルビーが架空の人物であることなどから、本作は「ピーキー・ブラインダーズ」というギャングを題材としたフィクションドラマと考えられる。
なお、本作は「第一次世界大戦」「チャーチル」「共産主義」など、当時のイギリスの時代背景が色濃く反映された作品となっている。
魅力的な音楽と映像
時代設定が20世紀初頭にも関わらず、BGMはバリバリのロック調!
テーマ曲の”Red Right Hand”はオーストラリアのシンガーソングライター ニック・ケイヴ率いるニック・ケイヴ&ザ・バッドシーズ。
冒頭のチーン(?)という音が流れるとしびれます!
それに合わせたクリエイティブな映像と、スローモーションでギャングたちが行進する姿は「カッコイイ!」の一言。
【ピーキー・ブラインダーズ】考察:オペラ【トスカ】
オペラ 【トスカ】1分でわかるあらすじ
舞台は1800年のローマ。
友人である政治犯を匿った画家カヴァラドッシは、時の権力者 警視総監のスカルピアに捕らえられ処刑宣告される。
スカルピアの元を訪れた歌姫トスカは、恋人カヴァラドッシために命乞いをするが代償として身体を要求された。
トスカは承諾するが、処刑は見せかけで銃殺ではなく空砲にせよというスカルピアの命令を見届けた後、自分に迫るスカルピアを刺し殺す。
しかし、スカルピアもトスカとの約束を守る気は毛頭なく、カヴァラドッシは銃殺される。
トスカはスカルピアを呪って身投げした。
ドラマ中の一場面はオペラの第2幕、トスカがスカルピアを刺すシーン。
【ピンキーブラインダーズ】と【トスカ】
まず、キャンベル警部は スカルピア警視総監を体現したと言っても過言はないだろう。
正義のための警察であるはずなのに、物語を通しての悪役である点も共通している。
キャンベル警部が求愛するグレースもいわば歌姫で「ガリソン」の歌手。
グレースは、銃のありかを知らせる代わりにトミーを見逃すようキャンベルに要求するが、キャンベルがわざとトミーたちを見殺しにすることも同じだ。
さらに言うと、イタリア人からの要求でトミーが従軍時代の部下であるダニーを処刑する際、見せかけの銃殺をした事も【トスカ】を意識しているはず。
そもそも【ピーキー・ブラインダーズ】全体が、約束する気は毛頭ないなど騙したり騙されたりの世界。
スカルピアがトスカとの約束を守る気がなかったと同じように、トスカも反故にする気満々だったのだ。
スカルピア=キャンベルならば トスカ=ピーキーブラインダーズなのだろう。
【ピーキー・ブラインダーズ】感想
トミーの知恵とギリギリの選択で先が読めない【ピーキー・ブラインダーズ】。
4話のすわ!抗争か?と思いきや、からのジョンとエスメの結婚式は面白いと感じるシーンのひとつ。
ジョンは寸前まで嫌がり、半ベソ状態だったのだ。
また、プロポーズを断られた時のキャンベル警部の顔は、断られないとでも思ったのか?と突っ込みをいれたくなるほど。
そんなキャンベル警部が逆恨みをして、グレースに銃を向けるところで続く。
グレースの運命は? トミーはどこまで上り詰めるのか?シーズン2に期待!