2019年4月4日(木)スタートの内田理央主演の深夜ドラマ『向かいのバズる家族』。
一見、幸せそうに見える家族が突然SNSでバズる!?
これにより崩壊の危機に陥る家族の再生までの物語です。
ありがちな現代社会に刺激的なメスを入れるかも!?
ドラマ『向かいのバズる家族』
1話あらすじ
篝家はテレビドラマプロデューサーで携帯ゲームにハマっているの父の篤史(TKO木下隆行)と、専業主婦で動画投稿に夢中の母・緋奈子(高岡早紀)、SNSに依存する大学生で家庭教師のアルバイトをしている薪人(那智)と主人公でカフェ「corona」の店長をしている長女のあかり(内田理央)の4人家族。
一見、普通の家族のようにみえる篝家ですが、それぞれが無関心な家族で、何に興味があるのかさえお互いに知りません。
それでもあかりは、この年で実家暮らしなら、これが平均的な家族なのだろうと思っていました。あの日までは……。
「corona」では、店長のあかりと料理担当の伊勢谷 伸(永野宗典)、ホールを担当する盛田 桃(小川紗良)の3人で回していました。
お客の入りは忙しからず丁度いい感じで、あかりは優しくていつも笑顔を絶やさず、スタッフからも信頼も厚い女性。
その日もカフェにはお客さんがほどよく入り、あかりとホール担当の女性はオーダーを受けたり、料理をテーブルに運んだりといつも通りに動き回っていました。
その時、ひとりで来た客がオーダーしようとしましたが、言葉がうまく発せられなかったようで、何度もオーダーを見過ごされてしまいます。
これにより客は逆上して店長を出せと騒ぎ立て、すぐに明かりが対応してあたまを下げましたが、男は他の客の視線が気になったのか、すぐに店を出て行ってしまったのです。
この様子を他の客が動画に撮っており、すぐさまSNSへ公開。あかりが完璧な対応を見せた事が武勇伝となり、翌日にはオープン前からあかりを一目見ようと、店の前に大勢のお客さんが集まっていたのです。
カフェは満員御礼。それでも次から次へとお客さんが入店し、あかりは”ちやほや”されることにも心なしか喜びを感じていたのです。
そんな中、皆戸涼太(白洲迅)というあかりの”王子さま”がやってきます。あかりが満面の笑みで迎えると、皆戸は「仲間と共同経営している店をアドバイスして欲しい」と、あかりを食事に誘ったのです。
ドラマ『向かいのバズった家族』1話の感想
主人公のあかりは、笑顔を絶やさすスタッフに怒ったり、理不尽な客にも決して笑顔を絶やさない女性でしたが、実は彼女には”今の自分”と維持するため、もうひとり”別の自分”いたのです。
表向きと裏の顔は正反対で、日常生活で抱えたストレスを別の自分で吐き出して、”自分”を支えていたのでした。
もうひとりのあかりは、自作のなまはげの面を被り心の中に溜め込んだ思いをぶちまけて、動画サイトに公開するというもの。
ではどちらが本当のあかりなのか、というと本当のところはなまはげを被っている方が本当のあかりなのではないかという印象を受けました。
今回はSNSの投稿がきっかけで、カフェ「corona」は大繁盛しましたが、到底3人ではさばききず、更には客もエスカレートした行動をとったり、あかりを目当てに来てるからと、盛田桃が仕事をしなくなっても言い返せなかったりと、あかりはストレスMAXに!
あかりは、もうひとりの自分を捨ててまでも王子さまに似合うお姫様になりたいと思って、なまはげの面に別れを告げました。
しかし、自分が笑顔でいられるのも、王子さまが望む自分でいるためにも、”もうひとりの自分が必要だ”と気づいたわけです。
本当の自分をさらけ出すことが出来ないのは、彼女の性格もあると思いますが、学生時代にあったトラウマも原因のようです。
今回は、あかりのバズった様子が中心のストーリーでしたが、次回は動画サイトにのめり込む母、SNSに依存する弟などの話も詳しく描かれるようですね。
『なつぞら』の記事でもお伝えしていますが、近年はメッセージ性の高いドラマが主流となっているようです。
『3年A組』もSNSによる危険性がテーマとなっていましたが、本作も同じようにSNSで崩壊した家族の再生までを描いているとのこと。
弟は、腑に落ちない投稿に”正義”のコメントをしたり、母は料理の動画を公開していたものの、自分よりアクセスの多いユーザーの真似をして、どんどん奇抜にのめり込んだりと、現時点でとても危なっかしい家族です。
一方で、テレビドラマプロデューサーの父も、難しそうな人物像には見えるものの、裏ではスマホゲームに入れ込んでいるという……。
それぞれが膨大なストレスの原因を、自分自身で作り上げてしまっているという感じでした。
まさに現代人が陥る罠であり、依存する危険性を示唆しているドラマと言えるでしょう。
今の自分と照らし合わせてみたり、自分を見つめ直すいい機会にもなる作品なので、一度ご覧になってみるのもいいと思います。