ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』8話では、片岡鶴太郎がゲスト出演し、冤罪で苦しむ死刑囚役を熱演していました。ある社宅内で開かれたクリスマスパーティで数人の住民が毒物により亡くなった事件で式根大充という男が逮捕された。そして24年後、彼の無実を証明する証拠が出てきたものの……。ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』8話ネタバレ考察です。
ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』
8話のあらすじ
黒川拓は、有馬聡子から24年前の事件「イトエ電機社宅殺人事件」で逮捕された、式根大充(片岡鶴太郎)の冤罪を晴らしてほしいと頼まれました。
・24年前、社宅のクリスマスパーティで、シャンパンにシアン化カリウムが混入
・6名が亡くなる
・シャンパンを持ち込んだ式根が逮捕
・執拗な尋問に耐え切れず式根が自白
・但し、式根が犯人だという証拠はゼロ
当時から、式根を担当していた塩原弁護士は、彼の無実を信じて4度再審請求していたものの、再審請求はまさに”開かずの扉”と言われるほど難しいもので、一度も許可されることなく亡くなってしまいました。
有馬は、9年前から式根と手紙のやり取りをしている中で、彼が癌で余命いくばくもないこと、警察が杜撰な捜査で式根を逮捕したのを知っていたため、黒川宅に彼を救ってほしいと願い出たのです。
塩原弁護士は24年間、この事件に身を捧げていた人物で、膨大な資料が残されていましたが、再審請求をするには、新しい証拠が必要不可欠。
ということで、保駿堂法律事務所では刑事部門の全員で、資料を調べなおすことにしたのです。
ポイントとしては以下の通りです。
・シアン化カリウムは、当時式根が務めていたイトエ電機工業に保管されていたもの。
・管理が杜撰だったため、誰にでも手に入れることが出来た。
・事件のあった日に、当時1小学生だった式根の娘・松ケ下玲子(星野真里)が泣いていた同級生の由美を宥めていた
・当時小学生だった由美(酒井美紀)の母親は夫からDVを受けていた
黒川弁護士は、確たる証拠を集めて通算5度目の再審請求をしたのですが……。
ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』8話の考察と結末
冤罪無実を勝ち取ることの難しさが浮き彫りに
黒川弁護士は、当時の子供たちの間で噂になっていた”オバケ”について、秋保准教授に科学的実験を依頼しました。
当時、小学生だった由美が泣いていたのは、”あるオバケを見ると死ぬ”という、子供たちの間で噂になっていた”オバケ”を見てしまったから。
実験を行った結果、オバケはある特定の条件で見られる”影”のことであることが証明され、由美が母親に証拠隠滅の手伝いをさせられていたことが判明しました。
また、由美自身も大人になってからそのことに気づいていましたが、事件はもう終わったと思い込んで現在に至っていたのです。
由美の証言は決定的な証拠であり、確固たるものだったので、黒川弁護士と和倉弁護士は由美の証言を基に、事件の再審請求を行いました。
由美の母親が、DVに耐え切れず夫の殺害を目論み、会社から薬品を盗みだしてシャンパンに混入させたのです。薬品が入っていた瓶を由美に捨てさせた事、これは再審請求するには十分に新しい証拠と言えます。
しかしなぜ、再審請求が棄却されたのか。被疑者である由美の母親はすでに亡くなっていることから、犯人からの証言は得られないということも関係しているのかもしれません。
由美は、証拠となる薬品の瓶を捨てさせられただけで、必ずしもそれが式根の無実を証明しているというわけではないということでしょう。
冤罪で無罪を勝ち取ることの難しさが明るみになった話でもあり、10年前の東央大学殺人事件で逮捕された浅間大輔もすでに亡くなっていることから、冤罪を主張する難しさが浮き彫りになりました。
ただ、今回式根救うことが出来なかったことに対し、黒川弁護士はあえて立ち向かうような気もします。
無罪と分かっていても救えなかったからこそ、浅間大輔の無実を証明したいと考えているのかもしれません。ただ、事件を掘り返すことは、秋保にとって辛いものであり、確実に冤罪を証明できる自信がなければ許可することはないでしょう。
黒川弁護士が、本当に浅間大輔の無実を認めさせることができるのか。事件解明は、黒川弁護士に掛かっているのです。
東央大学殺人事件はなぜ闇に葬られる?
当時の関係者の記憶に深く残っている東央大学殺人事件。なぜ、この事件の判決が急ピッチで進められたのでしょうか。
6話では、秋保准教授の口から「犯人は黒川拓のいとこ」との証言がありましたが、これが一番の理由であると考えられます。
犯人は、黒川拓の父で最高検察庁の次長検事である真の甥ということになります。その犯人の両親はこれまで顔を見せていませんが、父親が権力者である可能性も高いと思われます。
そのため、犯人を庇うために大きな力が働き、スピード裁判からの判決となった可能性も捨てきれません。
そして、犯人の親というのは黒川真よりも権力がある者ではないかと推測しています。
ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』8話の感想
8話では、片岡鶴太郎が死刑囚役で出演しました。式根の娘(星野真里)との、24年ぶりに再会するシーンでは、胸にこみ上げてきました。
また、今回の話で再審請求の難しさや冤罪え無罪を勝ち取ることの難しさが改めて知らされ、無罪と分かっていても、審議さえしてもらえないもどかしさが残ります。
司法は本当に厳しいものだと分かっていますが、今回の話ではとてもやるせない気持ちになりました。
また、黒川拓もこれの件をきっかけに東央大学殺人事件の真相を探り出すような気がします。冤罪で逮捕された人はもちろん、それによって家族の人生まで狂わせることになってしまう……。拓は、式根や玲子の姿を見て、「このままじゃいけない」と心から思ったはずです。
そして次週最終章。なんと東央殺人事件と共通点がある事件が発生したとのこと。これにより、東央大学殺人事件の解明に一歩近づけることができるのか?といったところでしょう。
10年前の事件で、被害者につけられていた傷と同じものが被害者につけられたいた、ということで黒川拓も冷静さを失ってしまうようです。
しかも、事件は連続性を帯びていく……。黒川拓、及び関係者たちは長年の悲しみに終止符を打つことが出来るのでしょうか?