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「君子盟(くんしめい)」10話・11話・12話・13話のネタバレ感想|第五の事件・解説

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作品情報

「君子盟」第10話、11話、12話、13話のネタバレあらすじと第5の事件解説。

連続毒殺事件はどうやら、二十年前 摩籮 (モールォ) 村で起きた事件と関わりがあるようです。そしてその事件に蘭珏の父・蘭林が巻き込まれたのではないかという疑いが出てきました。

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「君子盟」これまでのお話

ある目的のため暗躍する麗しき官僚と天才的推理力を持つ貧乏書生。
正反対の2人が都で起きる不可思議な事件を解決しながら、宮廷内の「禁断の秘密」へと迫る-
美しき男たちの熱い絆とスリリングな展開に胸躍る、極上のミステリー時代劇!

「君子盟」ドラマ公式サイト

毒殺犯は、死ぬ直前に、蘭珏に向かって父のことを知ってるような口ぶりで語りながらも、詳しい話は一切しないまま亡くなり、手掛かりが途絶えてしまいました。

果たして摩籮村ではいったい何が起きたのか。そして蘭林はどのように関わっているのか……

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10話:千秋儀

朝議の席をその日も皇帝は前日の狩りで疲れて欠席していました。齢三十、十歳で帝位を継ぎ早二十年。未だに実権は太后が放さず、垂簾政治が行われています。

天監監正の玄機は建設中の天球儀の頂上に紅宝石を埋め金で作った鳳凰を配し、その名を「千秋儀」にしたいと提案します。

古参の廷臣、柳太傅は天子である皇帝を象徴する龍を差し置いて鳳凰を配するなど僭越だと意見しますが、太后は無視し、建設は玄機に一任されることになりました。

退朝する蘭珏に、柳太傅は礼部として礼や法を司る立場として反対するべきだったと叱責します。すかさず王硯が先日の事件の調書をとらなければならなかったと言って割って入り、蘭珏を連れ去ります。

太后は玄機の茶番を初めから知っていて、朝堂で演じて見せただけの話だと、誰もがわかっていました

一方、毒殺犯の事件を見事に解決した張屏は、拉面神探として都で有名になっていました。麺屋には人だかりができ、陳籌は商売のチャンスだと麺を注文すれば張屏に質問できると宣伝します。

ですが、張屏は事件のあとずっと摩籮村、血霧の毒、因吉天の伝説を毒犯に伝えた謎の男のことで頭がいっぱいでした。

それらにはどうやら蘭林が関わっている気がしてならない。張屏は事件につながるきっかけを得たく、蘭珏に鏡花水月を試してみたかったのです。

願いごとを聞いて貰うため、貴重なアヒルの卵の黄身を入れた粽まで作り、蘭府を訪れるとそこは人だかりができていました。

皆、科挙を担当する蘭珏から教えを請いたい、名前を憶えて貰いたいと高価な贈り物を携えて連日押しかけていたのです。蘭珏はすべての贈り物は断ると言って追い払ったため、張屏もすごすごと麺屋に戻りました。

せっかく作った粽は陳籌の胃におさめられ・・・たところで、「私への贈り物の粽はどこだ」とタイミング悪く蘭珏が訪れます。

蘭府で改めて蘭珏に鏡花水月を使うことを申し出る張屏。長年父の冤罪を晴らすことだけを願って仕官した蘭珏は、張屏の剛直な気性が、捜査となると無謀な行動をとることですべての計画を台無しにするのではないかと危ぶみ、協力を渋ります。

「もし誰もが真実に拘れば闇が隠れる場所は なくなるはずだ」探偵小説のなかの慕叶生の言葉を胸に生きてきたことを張屏は宣言し、そのことは蘭珏自身の核となる部分にも共通するため、結局蘭珏も同意し、鏡花水月を試すことになりました。唯一思い出せる手掛かりは 当時父と共に、南境に向かった謎の女性だけ。彼女は突然現れ、何日も密かに父、蘭林と話し合い、二人は共に南境へと旅立った。そして父が戻って来たときには通敵叛国の罪名が与えられていた。二十年の歳月が流れて彼女の顔は もう思い出せない。」

そう語る蘭珏。どうやらその女性のことを思い出すことが、事件の解決につながりそうです。張屏は水鉢に水を張り・・・・・・

感想

贈り物の粽を見かけて美味しそうだと、ものすごく期待して麺屋までやって来た蘭珏が可愛かったです。そしてすでに陳籌の胃に……
登場人物が皆そこはかとなく天然味があって魅力的ですよね

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11話:鳳凰の涙

“裏切り者は どこにいる
市場の入り口に 吊るされた
裏切り者は なにものか
豚か犬 どちらかだ”

蘭珏の心に巣食う心魔はそう嘲ります。敬愛し信頼していた父が通敵叛国の罪で断首された。そのことは幼い蘭珏を傷つけ、記憶を封じ込めていました。

異国風の身なりの女性は長い間、蘭林と密談していました。顔は隠れていて見えず覚えていませんが、胸に下げていた特徴的な飾り物だけは記憶に残りました

鏡花水月から醒めて、慌てて紙と筆で形を書く蘭珏。古風な装飾品の輪郭だけ思い出すことが出来ました。

それを見た張屏は突然筆をとり、その装飾品は笛だと断言し、模様を書き足します。なぜか、張屏の記憶の中にもその装飾品があったのです。

張屏の書き足した図柄は、確かに蘭珏が見たものと一致していました。蘭珏はその図柄を複写して人を使い、摩籮村に関連したものかどうか調べるように旭東に指示します。

鏡花水月を使ったことにより、疲労で昏睡する張屏は悪夢を見ているようです。蘭の花の鉢を傍においてやると、安らかな寝顔に代わりました。

旭東は、この蘭には特別なところはないのになぜか蘭珏を鎮静化させる効果があり、それが張屏にも効いたことを不思議がります。装飾品の記憶といい、二人は謎の共通点があるようです

蘭府でしばらく休んで元気を取り戻した張屏は麺屋で今日も麺を打ちます。向かいの商店からいかにも金持ちそうな青年が、お付きにたくさんの荷物を持たせて出てきました。

桃売りの老婆の差し出す指触の桃を一口食べて吐きだすと、麺屋にやってきました。その一部始終を見ていた張屏は反感から、どうせ興味本位で来ただけだから麺は要らないでしょうと注文を断ります。

男は興味本位だとなぜわかる、麺を食べさせろと食い下がりますが、食べ物を粗末にする人には麺は出せないと張屏も意地を張ります。

作ってくれないなら自分で作って食べる、と男も意地を張り返しました。麺を打った経験もない男が作った麺?はグロテスクでいかにもまずそうです。

麺を食べ終わった男は、なぜ張屏が他より安く面を売ることが出来るか尋ね、その工夫に感心しました。お互いに誤解が解けると、男は祁朱と名乗り、友達になりたいと言います

麺をこねるのは下手だけど他のことでは負けないのでまた勝負しよう、と一方的に言って去っていきました。

男が去ると、今度は大理寺の主簿という人物がやってきます。陶寺卿が呼んでいると言います。案件庫で働く管理助手を探していたところ、張屏を推薦する人があったということでした。

張屏は喜んで引き受けます。ただの書庫整理とはいえ大理寺は憧れの慕叶生がいた場所。

陶寺卿に慕叶生を知っているかと張屏は尋ねますが、あれは物語の人物だろう?と取り合いません。ですが、物語に記されていた居室も事件のカギとなった証拠の品も残っていました。

張屏はワクワクしながらそれらを見て、慕叶生は実在したと確信します。

大理寺での仕事を終え、帰路につくと家の近くで気落ちした様子の馬叔父さんに会います。南部での赤い霧で村が消滅したという伝説を教えてくれた老人です。

なぜ気落ちしているのかと尋ねると、十五日に来るはずだった息子の手紙がまだ届かないので、何かあったに違いないと心配していたのです。

使いが遅れただけだろうと慰める張屏に馬叔父さんは、二日前にも千秋儀の工事現場で金の鳳凰が血の涙を流しているのを見た、きっとなにか悪いことが起きるんだと言います。

金で作られた鳳凰が血の涙を流すはずがない。好奇心を刺激された張屏は……

感想

意地っ張りの公子と張屏のやりとりはとても面白く、でもお互い筋を通す真っ直ぐな性格がよく表れていて好感が持てました。ブレない芯の通った生き方は良いですよねー。頑固な人の周りには頑固な人が集まる。器用ではない生き方かもしれないですが、真面目な人が多い社会の方が良い社会のような気がします。

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12話:消えた鳳凰

大理寺の令牌を使って千秋儀の工事現場に侵入した張屏は、頂上の鳳凰を見て、問題があると言い出しました。担当者は慌てて守衛兵を呼び、責任者の王大匠の元に連れて行きます。

張屏は鳳凰は銅の上に塗料が塗られた偽物だと指摘し、清掃員の馬叔父さんから鳳凰が血の涙を流した話を聞き、真相を調べに来たと言います。

大理寺から人がやってきて身元を保証したため、一旦事なきを得て解放されましたが、鳳凰の頭部は皇太后陛下の威光を象徴するものであり悪く言うことは許されないときつく叱られます。

家に戻ると、先日の祁朱の使いが来ていて張屏を狩場に連れて行きます。

「陛下」畏まって礼をする張屏にどうしてわかったんだと尋ねる祁朱。実は先日の意地っ張りな金持ちの青年は現皇帝でした。彼が立ち去った直後に張屏はそのことに気が付いていたのです。

皇帝は隴右の塩田羊を張屏に振舞いながら、地方の豪族たちが武力闘争を繰り返し、国境は争いが絶えず人々の暮らしが圧迫されていること、誰もが自分の自由意思で生きられるわけではない、皇帝すらも自分の思い通りに行かないと告げます。

皇帝は張屏に、科举では最高得点を獲得し、捜査にあたるときは果断に大胆不敵に挑むことを約束させます。

皇帝もまた、太后に抑え込まれて思うままに政治が出来ないながらも仲間を増やし、足場を固め一歩ずつ進もうと努力する一人の君子でした。

数日後、いつものようにまた街角で麺を打つ張屏は、ある話を聞いて耳を疑いました。

いわく、千秋儀の鳳凰が紛失したのは太后が不当に皇帝の力を奪っている、そのことを天が怒って取り上げた、今鎮座している鳳凰は偽物だと、こともあろうに張屏が噂を立てたというのです。

また子供たちも鳳凰の頭がなくなって太后の頭がおかしくなったという囃子を歌っています。マズいことになったと驚く張屏を千秋儀の役人たちが捕らえに来ました。陳籌は慌てて蘭府に事態を告げに行きます。

拷問を行いながら、人の話題になりたくて根も葉もない噂を流したことを認めろと責め立てる王大匠とその部下。駆けつけた蘭珏が、証拠もないのに拷問をしてはいけないと助けようとしたとき千秋儀の工房に太后自らが訪れます。

もし太后が張屏を断罪したならば噂は確定してしまう、それでは太后が不名誉な目に遭うと蘭珏はその場を取り繕い、鳳凰の頭部を取り戻し犯人を捕らえたうえで噂も払拭すると宣言します。

太后は、朝廷の臣下の中で誰が最も金の鳳凰の建立に反対しているか?となぞかけをし、暗に柳太傅を犯人と名指しするよう指示します。

二人は二日以内に犯人を見つけて太后に引き渡さなければ処刑されることになってしまいました。協力して犯人を捜すことになりますが……

感想

まったくの偶然からこの事件に関わってしまった張屏。そして陳籌に頼まれて助けに来たことによってその命まで関わるような巻き込まれ方をしてしまう蘭珏。Curiosity killed the catじゃないけど、ほんのちょっとの好奇心が、関係ない二人の命まで巻き込んでしまったことを張屏はまだ理解していません。鈍感さは強さでもあるけど、周りの人たちは幾つ命があっても足りない(苦笑)

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13話:柳太傅の陰謀

現場検証をした張屏は、燃えた虫の死骸があったこと、鳳凰像だけでなく却って邪魔な荷物になる台座や覆い布まで消えてしまったことから、泥棒は孔明灯の原理を使って重い鳳凰像を台座ごと気球のようにして飛ばして盗んだことを解明しました。

風が吹く方向の千秋儀から北の方向にある雲霄山を捜索する一行。

盗んだ後の台座や布は燃やすと山を歩く猟師たちの目を引いてしまうため、軽く埋めただけのはずと辺りを散策します。

見つけた残骸を調べ、その技術の高さに舌を巻きつつ千秋儀工房に戻って王大匠に尋ねると、千秋儀に出入りできる人物は限られていて、かつ このような高い技術を持つ工人は常巍しかいないとの証言を得ます。

常巍を探しに行くと家にも彼はいません。必死の捜索で、常巍を見つける一行。単なる職人がこんな大掛かりな手を使って鳳凰の頭を盗むことはあり得ないと、誰の命令でやったのかと詰め寄る王硯に常巍は妙な話をし始めます。

母親が病気になったので彼女を救うために金が欲しかった。だから言うことを聞いて鳳凰の頭を盗んだ。それなのになぜか母は自分のやったことを知ってしまった。

二十年前、自分がやったことを知ったから母は病気になったんだ。母を助けたかったのに、結局私が殺してしまった

常巍は、最後に作った孔明灯を空中で爆発させて母の遺灰を空から巻き自害しました。結局、二十年前の罪も、鳳凰の頭を盗ませた謎の男の話もきけないまま窃盗犯は亡くなってしまいます。

背後関係が闇の中に葬り去られたため、事件は解決とはいきません。

太后が望む通り柳太傅を黒幕として名指しするか、約束が果たせなかったとして責任をとって詰め腹を切るか。

処刑を待つ牢の中で、もしもう一度やり直せるとしたら この事件を調べるかと蘭珏は張屏に尋ねます。真実を求めるのが間違いなら世間の方がおかしい、そう蘭珏は告げます。

父の冤罪を晴らすことも、もとは真実を求めること。それを求めるのがおかしいなら世間が間違っている。自分の命を守るために柳太傅を名指しすることは、二十年前に無実の父を断罪したことと同じことを自分がすることになるのです。

二人が刑場へ向かおうとしたそのとき。朝廷では騒ぎが起きていました。狩りに行った皇帝が、森にいる獣たちが縁起の良いものを守っていたと言って運び込んだもの、それは盗まれたという噂の鳳凰の像でした。

皇帝は悪びれずに、鳳凰の像は盗まれたのではなく、それ自体があまりに貴重な宝だったため月の光に力を得て自ら飛び立ったのだと言います。

天からの祝福なので、これは大切に千秋儀の上に飾られるべきだと言いくるめ、柳太傅の冤罪と、蘭珏、張屏の罪を同時に庇うことが出来ました。

感想

皇帝と太后がどちらもお芝居だとわかりながら、白々しくやりとりをするシーンがとても迫力がありました!この皇帝は母親である太后に押さえつけられていながらも、人の道徳心を信じて正しいことを行う、素敵な明君なので、いつか本当に政治をとったときには良い国になるんだろうなあと期待しちゃいます。

事件の詳しい解説は次ページから