覆流年~復讐の王妃と絶えざる愛~:29話と30話(最終話)のあらすじとネタバレ感想。
穆澤は穆霖が燃灯大典の準備で大量のリン粉を運び込んでいることを知ります。穆澤は穆霖が穆川の命を狙っていると察し、その計画を逆手にとることにし……。
29話:燃灯大典での陰謀
穆澤は穆霖が燃灯大典の準備で大量のリン粉を運び込んでいることを知ります。穆澤は穆霖が穆川の命を狙っていると察し、その計画を逆手にとることにしました。
そんなある日、皇帝は蜜瓜を用意して穆川を呼びます。蜜瓜を食べて怪訝な顔をする穆川。穆川は皇帝には「美味しい」と言って取り繕いますが、皇帝は穆川の一瞬の表情を見逃さないのでした……。
大晦日、穆澤は陸安然に蕭驚雀の代わりに屋敷の帳簿管理をするように言います。帳簿を見た陸安然は、いつも倹約している穆澤が大量の蜜瓜を購入しているのを不審に思いました。
また陸安然は穆澤が花火も大量に購入していることに気づきます。陸安然が倉庫に行って花火を調べると火薬が全て抜き取られていました。
陸安然は穆澤が燃灯式典で爆発騒ぎを起こして謀反を企てていると考え、蕭驚雀に腰牌を借りて急いで皇宮に向います。
燃灯大典で穆霖は灯籠に毒とリン粉を仕込んでいました。穆川が点火した時に毒を吸わせ、その毒が回る頃には灯籠が全て燃え尽きて証拠が残らないように計画していたのです。
灯籠が燃え落ちることがわかっている穆霖は、灯籠の点灯後わざと皇帝のそばへ行きました。また穆澤も穆川に話しかけて意図的に灯籠から遠ざからせます。
その後、灯籠が燃え落ちた混乱に乗じて穆澤は火薬を隠しておいた祭壇の蜜瓜の箱に火をつけました。爆発の時、穆澤は皇帝に近づこうとした穆川を止めます。穆川が顔を上げると玉座の近くで穆霖が倒れているのが見えました。
驚く穆川に穆澤は穆霖の企みを話し、灯籠に仕込まれていた毒だけを自分が抜いておいたと言います。穆川になぜ灯籠が燃え落ちるのも阻止しなかったのかと尋ねられた穆澤は皇帝と穆霖を葬るためだと答えたのです。
続けてなぜ自分を救ったのかと穆川が尋ねると、穆澤は何があってもお前を守ると誓ったからだと言いました。
家臣たちがうろたえる中、穆澤は立ち上がって皇帝も穆霖も亡くなった今、国を守るために新たな君主を立てるべきだと宣言します。家臣たちは次々に穆澤の名を口にしてひざまずきました。
穆川は、穆澤が皇位に就くために穆霖の計画を利用したと気づきます。その時、穆澤と穆川の背後で皇帝の声がしました。
皇帝は穆川が食べた蜜瓜を配下に調べさせて火薬の匂いが染みついていたことを知り、穆澤の企みを察知していたのです。
穆澤は、血を分けた息子なのに国に報いようと尽力するたびに熱意と忠義を踏みつけにされたと謀反を企てるに至った経緯を話します。
その時、陸安然が会場に駆けつけ、真っ先に穆川の名を呼びました。ショックを受けた穆澤は陸安然を人質にとりますが、皇帝は兵たちに陸安然ともども穆澤を誅殺するように命じます。
穆川は皇帝にひざまずき「昔の父上と同じく私にも全力を尽くして守りたい者がおります」と言いました。皇帝は兵に攻撃をやめさせ、穆澤は陸安然を連れて逃げます。
穆澤は一旦屋敷に戻り、自分の子を身ごもっている蕭驚雀も連れて逃げようとしますが、蕭驚雀は子どもを生まれながらの逆賊にはできないと言って自害してしまうのでした。
もぬけの殻になった穆澤の屋敷に行った穆川は書斎の奥の隠し部屋に穆澤の生母の祭壇があることに気づきます。またその部屋には幼い頃、穆澤が穆川に彫ってくれたのと同じような木彫りの鳥も置いてありました。
山中の隠れ家に着いた後、陸安然は穆澤に帳簿を渡したのは計画を気づかせるためかと尋ねます。穆澤は陸安然が穆川の危機を知った時に駆けつけるかどうか試したかったと答えるのでした。
穆川は穆澤の隠し部屋にあった物を3つの箱に入れて皇帝に運びました。1つ目の箱は穆澤の生母の遺品。2つめの箱は各部の役人の汚職の証拠。穆川は、穆澤は疑惑を追及したが穆霖に握り潰されたと説明します。
そして3つめの箱は、幼い頃の手習いに皇帝が評語をつけたものや戦場から凱旋した時に皇帝から賜った賞状でした。それを見た皇帝は穆澤を呼び戻して釈明の機会を与えると言います。
穆川は皇帝に感謝し、穆澤を呼び戻すために出て行くのでした。
30話(最終話)
穆川が配下に山中の偵察を命じた後、陸安然の侍従が穆川の贈ったウサギの形の燭台を持って訪ねてきて陸安然の伝言を伝えました。
”決して自分を曲げないで 私は死んでも信念を貫く 同じ過ちは繰り返さない”
山中に兵の気配を感じた穆澤は追っ手だと思い込み、眠らせた陸安然を隠れ家に残して皇宮に攻め入る決意をします。穆澤は配下に家族の元へ帰るように言いますが、兵たちは穆澤に従うことを選ぶのでした。
穆川が隠れ家に着くと陸安然だけが残されていました。
皇宮の兵は穆澤に降伏を求めますが、穆澤は配下に攻撃を命じます。応戦され多数の矢を受けて瀕死になった穆澤のところへ穆川が駆けつけ、とどめを刺そうとしていた兵を止めました。
そこへ皇帝が来ます。穆澤は皇帝にあなたから与えられたのは皇帝としての評価だけで、父としての愛情は皆無だったと言いました。
穆川は兄上は憎しみを断ち切りたいだけで父上を襲う気はないと言おうとしますが、穆澤が遮ります。皇帝が行かせてやれと言い、穆澤は穆川を皇宮の庭の井戸へ連れて行きました。
その井戸は穆澤の生母が毒酒を飲んだ後、投げ込まれた場所だったのです。穆澤は穆川に自分を生母の墓の隣に埋葬してほしいと頼みました。
そして穆澤は穆川に短剣を持たせ、穆川を抱きしめました。短剣が刺さり、穆澤は絶命します。穆澤のそばで泣き続ける穆川を陸安然が背後から見つめていました。
その後、穆川はかつて穆澤が国境で戦って国土を守り、穆川が稲を育てて民の生活を守ると約束したことを思い出すのでした。
やがて穆川は太子になります。一方、陸安然は穆澤が離縁状を遺していたのを見つけました。
翌日、陸安然は穆川に会い、蘇城に帰ると伝えます。それを聞いた穆川は人には担うべき役割があると言い、君の幸せを祈ると告げました。
穆川と陸安然は別れの挨拶をし、それぞれ反対の道へと帰って行くのでした。