【山河令】24話・25話・26話のあらすじとネタバレ感想。四季山荘に到着した夜、周子舒は自分の過去と弱さをすべて温客行に打ち明けました。一方の江湖では、「群鬼冊」が配布されたことにより温客行=鬼谷谷主であることが知れ渡ります。
24話のあらすじネタバレ

周子舒、温客行、張成嶺は四季山荘に到着しました。
長年のあいだ無人だったため、雑草は伸び放題で、至るところに蜘蛛の巣が張られています。
周子舒の亡き師匠が描いた梅の絵の掛け軸も、劣化して褪せていました。
絵には81輪の梅が描かれていますが、これは四季山荘の門徒81人を表してもいました。
周子舒は苦しげに呟きます。
「だが1人になった。全員 俺が死なせたんだ……」
曹蔚寧と一緒に清風剣派に向かっている顧湘は、なぜか無性に腹が立ち、曹蔚寧を置き去りにして人混みのほうへ歩いていきました。
すると、断剣山荘の弟子たちから暴行を受けている男性を目撃。
よく見てみると、殴られている男は高崇の弟子 祝邀之でした。
離れた場所から彼らの様子を見ていた顧湘は、彼らの会話から温客行の素性がバレてしまったようだと気づきます。
どうやら、趙敬が群鬼冊(鬼たちの絵図)を配布したせいで、温客行=鬼谷谷主であることが広まっているようでした。
祝邀之は断剣山荘の掌門に殺されそうになるも、偶然現れた沈慎に助けられます。
四季山荘。
温客行は、両親が殺された日の夢を見て飛び起きました。
隣で寝ている周子舒も悪夢を見ているようだと気づき、手を握ります。
すると、周子舒も飛び起きました。
温客行はどんな夢を見ていたのかと尋ねました。
「言いたくないなら無理しなくていいが」
「俺たちの間で話せないことなど何もない」
周子舒はそう言うと、過去の出来事を話しはじめました。
<過去の話>
周子舒が四季山荘の荘主だった頃、晋王の命令を受けて蒋氏一族を襲撃することになった。師弟の秦九霄と数人の弟子は、恩人である蒋氏一族への襲撃を反対。しかし、晋王の命令は絶対であるため、周子舒は“酔生夢死”を入れた酒を彼らに飲ませ眠らせた。その間にすべては終わり、蒋氏一族は死亡。失望した秦九霄は四季山荘を離れた。次に秦九霄に会ったのは、棺の中だった。棺を運んできた秦九霄の恋人は、のちに周子舒が恋人だと知らずに毒殺(第1話)してしまった。
秦九霄は幼い頃から周子舒を尊敬して慕い、師匠の秦懐章も実の息子のように大切にしてくれた。同門の兄弟たちも皆が自分を家族や兄のように愛してくれた。
「本当の俺がとういう人間だか知らずに!本当は逃げてばかりの臆病者なのに!」
温客行は周子舒に水を飲ませて落ち着かせました。
周子舒は再び語りはじめます。
<過去の話 続き>
師である秦懐章の死後、周子舒は四季山荘の荘主となったものの、正と邪の両方の世界から難癖をつけられた。四季山荘を守るために仲間たちが死んでいき、周子舒の心は折れ始めていた。
そんな時、従兄である晋王に「信頼できる腹心がほしい」と泣きつかれたため、四季山荘の兄弟81人を連れて晋王に身を寄せた。そうしたのは、四季山荘を守る重圧から逃げるためでもあった。しかし、今度は別の苦しみが周子舒にのしかかる。同門の兄弟たちが、自分の目の前で1人ずつ死んでいったのだ。守りたい人を守ることもできず、最後に残ったのは、体に打ち込んだ7本の釘だけ。だが、こんな自分でも天は見放さなかった。張成嶺を弟子として迎えることが出来たのだから。
ところどころで嗚咽を漏らしながら話し終えた周子舒は、結果がどうなろうとも温客行には話したかったのだと言います。
「一緒に帰ってきてくれて心から嬉しい。師弟」
温客行はまだ四季山荘の弟子だということを認めたくないのか、師弟と呼ばれた途端に困惑し、部屋を出て行きました。
翌日。
深い眠りから目覚めた周子舒は、温客行が梅の絵の掛け軸を修繕しているのを目にします。
周子舒は温客行を抱きしめ、それを見た張成嶺も2人に抱きつきました。
24話の感想
なぜ急に 谷主=温客行 が知れ渡っているのかと思えば、趙敬が配布した「群鬼冊」のせいみたいです。
ただおそらく、顧湘は載っていなさそうなのでそこは安心。
前回は夢でうなされる温客行の手を、周子舒が握っていましたが、今回はその逆で温客行が握ってあげていました。
この2人、お互いに心から相手を気遣う素敵な知己ですね。
周子舒は過去のことも自分の弱さも、すべてを温客行に話しました。
そう言えば、以前にギクシャクしてしまった時、「俺はお前を信じる」と歩み寄ったのも周子舒でした。
案外、より深い一歩をいつも先に踏み出すのは周子舒のほうなのかもしれません。
もちろん温客行も、周子舒を深く慕っているのは間違いないけれど、本当の自分を知られるのが怖いという思いがあるように感じられます。
温客行は周子舒の苦しみや業を知ったわけですが、単に言葉だけで慰めるのではなく、周子舒にとって大切な梅の絵の掛け軸を修繕してあげたのがグッときました。
周子舒にとって梅の絵の掛け軸はきっと、四季山荘時代の幸せな思い出の象徴。そして、同門の兄弟を死なせてしまったという苦しみの象徴でもある。
その掛け軸を温客行が修繕したことで、周子舒の心もわずかに修復されたのではないかと感じました。
25話のあらすじネタバレ

七竅三秋釘の発作で眠れない周子舒が外へ出ると、同じく眠れないらしい温客行が外の空気を吸っていました。
周子舒は四季山荘で見つけた酔生夢死を焚いているおかげで最近は眠れるようになったものの、今日のように発作で寝付けないこともありました。
周子舒はふと、以前に趙氏義荘で酔生夢死の香にあたった時のことを思い出します。
「あの時、お前は俺を「周子舒」と呼んだな。どんな幻覚を見ていたのか今なら話せるだろう」
促された温客行は幻覚の内容を語った後、なぜ「周子舒」だと気づいたのか、その経緯も説明しました。
流雲九宮歩を使う周子舒を見て 四季山荘に関連する者だと思い、追いかけ回したのだと。
清風剣派に向かう道中で水を汲みに行った曹蔚寧は、桃紅と緑柳、そして彼らにさらわれた高小怜を見かけます。
曹蔚寧は高小怜を助けに行こうとしましたが、顧湘は老夫婦に勝てないことを分かっていたので助っ人を呼びに行きました。
「曹兄さんは老夫婦の後を追うだけにして、目印を残しておいて!」
一方の老夫婦は黄長老との合流場所に向かっていましたが、なぜか黄長老は途中で待っていました。
黄長老は趙敬に裏切られたと話し、用済みの高小怜は妓楼にでも売り飛ばすと言い出します。
桃紅はそれを咎め、いっそ ひと思いに殺してやったほうがいいと、高小怜に手を下そうとしました。
その時、曹蔚寧が「やめろ!」と飛び込んできます。
黄長老と老夫婦は仲間割れをし、曹蔚寧はその隙に高小怜を連れて逃げました。
ところが、黄長老を始末し追いかけてきた老夫婦に攻撃され気絶してしまいます。
ちょうどその時、顧湘が助っ人の沈慎を連れて到着。
老夫婦を負かした沈慎は、とどめを刺そうとするも高小怜に止められます。
「老夫婦は 五湖盟が引き起こした20年前の青崖山の戦いで、息子さんを亡くした」
その借りを今返すべきだと高小怜に言われた沈慎は老夫婦を見逃します。
趙敬が配布した群鬼冊に顧湘の名前は載っていないものの、沈慎は 顧湘が鬼谷の者だと気づいていました。
(温客行と一緒にいるところを何度も見ているから)
鬼だと知られてしまった以上 死を覚悟する顧湘は、曹蔚寧が気絶している今のうちに殺してほしいと沈慎に頼みます。
しかし、沈慎は顧湘を殺すことはせず、高小怜を連れて去りました。
周子舒、温客行、張成嶺は秦懐章の墓参りに行きました。
温客行は2人を先に帰らせた後、秦懐章の墓前で、この20年 両親が殺された恨みだけを胸に生きてきたことを吐露します。
江湖の偽善者すべてを焼き払い、自分も地獄に落ちる覚悟だったことも。
「それなのになぜ、地獄への道を歩み始めた後で 人の道へといざなうのですか」
こんな自分に秦懐章を師匠と呼ぶ資格はないけれど、来世があるなら恩義に報いると誓います。
「来世がなく 永遠に地獄にいることになったとしても、あなたがくれた ひと時の光に感謝します」
25話の感想
温客行「四季山荘でずっと一緒に暮らせたらいいのに」
周子舒「構わないぞ」
何気ないやり取りですが、このシーンは最高でした。ずっと一緒に暮らして欲しすぎる!
前々から思っていたことですが、2人はもう 単なる知己ではなく、もっと深いところで繋がり合っているように感じます。
今回は、温客行の胸の内が明かされました。
温客行が四季山荘の弟子だと認めたがらないのは、自分にはその資格がないと思っているからかもしれませんね。
でも大丈夫。“包容力 海の如し”の周子舒が居てくれるから。
温客行が復讐の化身だろうと、鬼谷の谷主だろうと、すべて受け止め包み込んでくれるはずだから。
一方の曹蔚寧は、武術が得意ではなくすぐに気絶もするけれど、顧湘はそんな彼でも一緒に居られて幸せそうです。
周子舒たちにしろ、顧湘たちにしろ、彼らの幸せがずっと続いてほしいと願わずにはいられません。
26話のあらすじネタバレ

*一部、シーンが前後しています。
周子舒、温客行、張成嶺は、葉白衣からの文を受け取るため平安銀荘に行きました。
すると、店主は周子舒の知人 平安でした。
平安によれば、葉白衣はわざわざ南疆まで行って、周子舒の治療のために七爺と大巫を呼び寄せたとのこと。
しかし、2人は周子舒の旧友であるため、実は葉白衣がわざわざ頼みに行くまでもありませんでした。
葉白衣も頼んだ後でそのことに気づいたのか、周子舒宛ての文に「ばか野郎!」と書かれていました。
それはさておき、周子舒は2人がこの昆州にやって来るのは危険ではないかと心配します。
というのも、七爺と大巫は仕えていた晋王に傷つけられ、晋王から逃れるために南疆に落ちのびたという経緯があるのです。
「彼らと親しいなら、なぜもっと早くに治療を頼まなかったのだ?」
温客行の問いに、周子舒は「死んでも本望だったからだ」と答えます。
温客行はふと、こちらを見ている雲栽(顧湘の侍女)に気づき、理由をつけてこの場を離れました。
雲栽に案内された洞窟では、鬼谷の鬼や食屍鬼が身を隠していました。
食屍鬼に群鬼冊を見せてもらうと、1ページ目に温客行の姿絵が。
続くページには、十大悪鬼の姿絵とともに、得意技や来歴までもが詳しく記載されていました。
曹蔚寧と顧湘は、清風剣派を目指して山道を歩いていました。
すると、清風剣派の長老と大師兄の莫蔚虚、それから数人の弟子たちが出迎えてくれました。
しかし現在、清風剣派は部外者の出入りを禁じているとのことで、顧湘は外に用意した居所へと案内されます。
孟婆湯の処方箋を手に入れた蝎王は、その処方箋をヒントに孟婆湯の効果を消す方法を突き止め、喜喪鬼に試しました。
まもなく、孟婆湯の効果が消え、封印された喜喪鬼の記憶が甦える頃でした。
――喜喪鬼と趙敬の過去の醜聞は ただの噂に違いない、趙敬が自分を欺くはずがない――
そう信じる蝎王は、趙敬の潔白を証明するためにも喜喪鬼から真実を聞き出したいと思いました。
喜喪鬼からすべてを聞いた蝎王は、趙敬を詰問します。
「たわ言で鬼どもを欺くならともかく、私をごまかすとは……侮辱ですか」
何を怒っているのか分からない趙敬は、とりあえずなだめようとして肩に手を置いたものの よけられました。
趙敬は蝎王をなだめ続け、そして抱きしめます。
「かつては切迫した状況だったため やむなくお前を日陰者にした。つらかっただろう。お前は本当によくやってくれた、誇らしい」
蝎王は趙敬の言葉にほだされそうになるも、本当に聞きたいことはそんなことではありませんでした。
「なぜ私を欺くのです」
蝎王はそう言うと、血文字で「君不負我、我不負君」と書かれた喜喪鬼の手巾を取り出しました。
「これをどこで!」
言い逃れできなくなった趙敬は喜喪鬼との過去を認めたものの、妻の李瑶を悪者に仕立て上げます。
そして、李瑶を殺したことを打ち明けました。
「かつての私は死に、ここに居るのは妻を手にかけることもいとわない男だ。蝎児よ、私の心は死んだも同然だが、わずかに残った善意と愛を、すべてお前に与える」
趙敬は言葉を続けます。
「これは私の心に残された最後の浄土だ。約束してくれ、浄土を守ると」
蝎王は涙を流しながら謝罪し、もう二度と詰問しないと約束します。
しかし……。
その後にもう一度聞いた喜喪鬼の話は、趙敬が話した内容とはまるで違いました。
蝎王はまだ趙敬を信じたい気持ちがありましたが、喜喪鬼から趙敬のことを何も分かっていないと言われます。
「あの男は人を陥れたことを何より誇りに思うの。陰謀が成功するたびに戦利品を残す」
喜喪鬼の知る限りでは、師匠の指輪や容炫を死に至らしめた剣、それから妻との愛の証も残しているはずでした。
「そして私の推測が正しければ、趙敬はあなたに特別な証の品を預けているはずよ」
蝎王は震える手で、胸元の瑠璃甲を押さえます。
26話の感想
趙敬が語った“喜喪鬼との過去”は嘘だとして、蝎王に対する情はどうなのでしょう。それも嘘なのか?
「わずかに残った善意と愛を、すべてお前に与える。これは私の心に残された最後の浄土だ」
蝎王に対するこの言葉も偽りなのでしょうか??
このあたりは見る人によって解釈が異なりそうですが、割りと本心なのではないかと感じました。
というのも、26話の題名が「最後の浄土」だから。
副題に使われるぐらいだからきっと、趙敬の本心なのではないかと推測します。
一方の蝎王は、嘘をついているのは喜喪鬼ではなく趙敬のほうだと心の奥では気づいていても、まだ趙敬を信じたい気持ちがあるように見えます。
趙敬が卑劣だろうと、人を殺していようと、そんなことで蝎王の愛情は揺らがないけど、欺かれることだけは別なのでしょうね。
このまま欺かれ続けたら、蝎王の愛情が憎しみに変わってしまうのではないかと心配です。
*
以前の周子舒は死ぬことが本望だったかもしれませんが、張成嶺や温客行に出会った今は、生きたいという気持ちが強くなっているように見えます。
その変化が嬉しくもあり、切なくもあります。
生きたいと願えば願うほど、生きられないかもしれないと考えたときの辛さも大きいと思うから……。
大巫の治療でなんとか治せると良いのですが!
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