【ホワイト・プリンセス】ネタバレ解説と登場人物。権力と裏切り、母となった王妃の壮絶な人生。 | Dramas Note

【ホワイト・プリンセス】ネタバレ解説と登場人物。権力と裏切り、母となった王妃の壮絶な人生。

「ホワイト・プリンセス」出典:www.amazon.co.jp

作品紹介

【ホワイト・プリンセス】ネタバレ解説と登場人物。【ホワイト・クイーン】の続編となる本作ではエリザベス・ウッドヴィルの娘でヘンリー7世の王妃となったエリザベス・オブ・ヨークを描いた作品。ヨーク朝の復権を胸に刻んだエリザベスだったが子を授かるとその考え方に変化が表れ……。

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製作

製作:2017年 イギリス

原題:The White Princess

原作者: フィリッパ・グレゴリー

監督:ジェイミー・ペイン、アレックス・カリムニオス

放送局:Starz

キャスト:ジョディ・カマー、ジェイコブ・コリンズ=レヴィ、ミシェル・フェアリー、ヴィンセント・リーガン、エッシー・デイヴィス、レベッカ・ベンソン、アルバート・デ・ヨング、ジョアンヌ・ウォーリー、リチャード・ディレイン、マーク・エデル・ハント、キャロライン・グッドールほか

動画配信


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【ホワイト・プリンセス】あらすじ

これまでの流れは1作目【ホワイト・クイーン】へ

テューダー派とヨーク派の戦いは、リチャード3世の死をもって終止符が打たれた。

イングランドはテューダー朝となり、マーガレット・ボーフォート(ミシェル・フェアリー)の息子ヘンリー7世(ジェイコブ・コリンズ=レヴィ)が王座に就く。

ある日、家族と共にノースヨークシャーにあるウッドヴィル家で暮らしていたマーガレット・オブ・ヨーク「*以下リジーと表記」(ジョディ・カマー)の元に、テューダー家の兵士たちが荒々しくやって来る。

彼ら(使者)は、ヘンリー7世の妻となるリジーを迎えにやって来たのだ。

しかし、そこには”死んだと見せかけている”幼いヨーク公リチャード・オブ・シュルーズベリーも居た。

エリザベスは息子に「いつか必ずあなたを王にする。今はトゥルネーに行きウォーベックと暮らすよう」伝え、屋根裏に隠れさせた。

その頃、サフォークのウィングフィールド城で暮らすウォリック伯が、反逆罪で連行されてしまう。

戦いの前にヘンリーが即位したため、ウォリック伯たちは反逆罪に問われたのだ。

さらに、クラレンス公ジョージの息子でヨーク朝の王位継承権を持つテディ(アルバート・デ・ヨング)は、幼くしてロンドン塔に幽閉されてしまう。

リジーは、ヘンリー7世に嫁いだものの王母マーガレット・ボーフォートの対応は冷たいものだった。

ヨーク派のリジーを王妃にしたのは、ヨーク派を支持する貴族や民からの反発を抑えると言うのが目的だったが、ヘンリーはそれに反抗し結婚前に王座に就いた。

リジーもまた、いつかはヨークを復権させる強い意志を持って王妃となり、ヘンリー7世に決して心を許すつもりはなかった。

しかし、時が経つにつれリジーの心に変化が表れる……。

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【ホワイト・プリンセス】登場人物

テューダー王家

エリザベス・オブ・ヨーク/ジョディ・カマー
エリザベス・ウッドヴィルとエドワード4世の娘。弟たちの死亡により王位継承権を持つ。テューダー朝の治世を強化するためヘンリー7世と政略結婚させられた。

ヘンリー7世/ジェイコブ・コリンズ=レヴィ
イングランドを平和で幸せな国しようと考えていた。母が手を汚して掴んだ栄光だったと知り苦悩する。エリザベスとは政略結婚だったが共に愛するようになる。

マーガレット・ボーフォート/ミシェル・フェアリー
権力を誇示することに優越感を感じている。臣下に密偵させどんな些細な情報でも手に入れて思う通りに国を動かし権力を誇示しようとする。人を操るのが上手い。

ジャスパー・テューダー/ヴィンセント・リーガン
ヘンリー6世の異母兄弟。甥のヘンリー7世を幼少時代から息子のように育てた。マーガレット・ボーフォートと愛し合っているが結ばれない。

トマス・スタンリー卿/リチャード・ディレイン
マーガレット・ボーフォートの4番目の夫でヘンリー7世の継父。ヨーク派からテューダー派に寝返り、その後ヘンリー7世の側近となる。

ヨーク派

エリザベス・ウッドヴィル/エッシー・デイヴィス
リジーの母でエドワード4世の元王妃。ヨーク朝を復権させるために影で暗躍する。そのためには娘の犠牲も厭わずマーガレット・ボーフォートと同盟を結んだ。

マギー(マーガレット)・ポール(プランタジネット)/レベッカ・ベンソン
クラレンス公ジョージとイザベラ・ネヴィルの娘でテディの姉。身分の低いリチャード・ポールと結婚させられるも望んでいた平凡かつ愛ある暮らしを送っていた。

ウォリック伯テディ/アルバート・デ・ヨング
クラレンス公ジョージとイザベラ・ネヴィルの間に産まれた息子で王位継承権があるが精神的に難あり。幼少期からロンドン塔に捕らわれその後処刑された。

マーガレット・オブ・ヨーク(ブルゴーニュ公妃)/ジョアンヌ・ウォーリー
エドワード4世の妹でリチャード3世の姉にあたる。秘密裏に義姉のエリザベス・ウッドヴィルと連絡を取り合いヨーク復権を目論む。

セシリー・ネヴィル(公爵夫人)/キャロライン・グッドール
エドワード4世、クラレンス公、リチャード3世の母。テューダー朝になってから反逆罪で追放され、娘(ブルゴーニュ公妃)の元に身を寄せる。

ヨーク公リチャード・オブ・シュルーズベリー?/パトリック・ギブソン
行方不明となっていたエリザベス・オブ・ヨークの2番目の弟と名乗る青年。エリザベスに弟だと気づかれながらも認められず偽者として処刑された。

画像出典:© Company Television TWP Limited 2017

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【ホワイト・プリンセス】ネタバレと解説

政略結婚から愛へ

エリザベス・オブ・ヨーク(ジョディ・カマー)は、母エリザベスとヨーク派のマーガレット・ボーフォートとの同盟により、愛するジョージ3世を討った敵ヘンリー7世に嫁ぐことが決まっていた。

ヘンリー7世に嫁いだリジーは、ヨーク王朝の復権を心に誓いながらもヘンリー7世という人物を知るほど惹かれていった。

リジーはすぐに妊娠し、4男4女を出産した。

子女は以下の通り

  • アーサー(コーンウォール公・ウェールズ公)
  • マーガレット(のちにスコットランド王ジェームズ4世の王妃)
  • ヘンリー(ヨーク公。アーサーの死後王太子。のちヘンリー8世)
  • エリザベス(早世)
  • メアリー(フランス王ルイ12世の王妃、のちチャールズ・ブランドンと再婚)
  • エドマンド(早世:サマセット公)
  • エドワード(?:早世)
  • キャサリン(早世)

4男4女に恵まれたが、成人したのは4人でアーサーはキャサリン・オブ・アラゴンと結婚後まもなく、15歳と言う若さで熱病により死去している。(続編【スパニッシュ・プリンセス】に続く)

リジーは母エリザベス・ウッドウィルの目論みに翻弄されながらもヘンリー7世を愛し、ヘンリー7世もまたリジーを深く愛した。

リジーは母エリザベスに、ヨーク復権を諦めるよう何度も説得したが、エリザベスは聞く耳を持たずブルゴーニュ王妃(エドワード4世の妹でエリザベスの義妹)と密に連絡を取り合い、イングランドを襲撃し王位奪還を目論む。

反乱とエリザベスの”元王妃”としての実権を握ることを危惧したヘンリー7世とマーガレット・ボーフォート(王母)は、彼女を寺院に幽閉した。

世継ぎも生まれ自分の地位も安定していたリジーは、母エリザベスを避けるようになりテューダー王家を脅かす者を排除し始めた。

犠牲の上に成り立つ王家。

テューダー朝は犠牲の上に成り立っていた王家で、ヘンリー7世はその”犠牲”を知らずにいたこと、幼少期から「王になる」と教え込まれて育ったため、自分が王座に就くのが当たり前だと思っていた。

ただ、「ホワイト・クイーン」では、マーガレット・ボーフォートが夫スタンリー卿にエリザベス・ウッドウィルの息子2人を殺すよう指示している。

事実を知ったヘンリー7世は、幼き命の犠牲の上に成り立った王座だとして苦悩している。

*ヘンリー7世がこの事実を知ったのは王位に就いてからだが、史実ではボーフォートが幼きヨーク朝の世継ぎ2人を殺すよう指示したとは記されていない。

ただ、一部の作家はマーガレット・ボーフォート、リチャード3世の友人ノーフォーク公のジョン・ハワード、エドワード4世の愛人のひとりエリザベス・”ジェーン”・ショアを容疑者としている者もある。

また、作中では後にセシリー・ネヴィルがヨーク公リチャード・オブ・シュルーズベリーと名乗る青年をブルゴーニュに連れてきている。

史実では、1490年にパーキン・ウォーベックという男がヨーク公リチャードを名乗ったとあるので、これがストーリーに使われたのかもしれない。ただ歴史家の中には、彼が本物のヨーク公リチャードだったという意見が多い。

セシリーの娘ブルゴーニュ公シャルル妃は、ヨーク公を本物だと認めて貴族の娘と結婚させ王位奪還を目指したが、この流れは史実とは異なっている。

*1483年にヨーク公リチャードと兄エドワード5世は幼い頃にロンドン塔に幽閉されたまま行方が分からなくなったとあり、その後1674年にロンドン塔で2体の遺骨が見つかっている。


出典:1878年ジョン・エヴァレット・ミレイ作エドワード5世とリチャード兄弟:ロイヤル ハロウェイ ギャラリー(ロンドン)

これがヨーク公リチャードとエドワード5世のものなのかは調査されないまま、遺骨はウェストミンスター寺院に埋葬された。

  • 1話でエリザベスは幼きヨーク公を屋根裏に隠し、ウォーベックを訪ねるよう指示している。
  • エリザベスはかつての臣下に頼みヨーク公リチャードの行方を調べたが「ウォーベックの元にいない」と報告された。
  • セシリーが「リチャードの瞳は緑色だった」と言うのに対し、ブルゴーニュ妃は「それは兄のエドワードでリチャードはブルーだった」と答えていることから、妃は青年を”本物”に仕立て上げた可能性もあるがセシリーの記憶違いの疑いがある。*青年の瞳はブルー

ただこの時、ブルゴーニュ妃もセシリーも、そして本物かどうかを確認しに行かされたマギー・ポールもリチャードを本物とも偽物とも断定することは出来なかった

しかしその後、ヨーク公リチャードと名乗る青年はヘンリー7世の兵に捕えられヘンリー7世とリジーに謁見する。

ヘンリー7世はリジーに青年が本物の弟かどうかを聞いた。

青年は家族しか知らないことを知っていたためリジーは本物だと認識したが、本物であれば息子の王位継承を脅かすことになる

さらに夫は王座から引きずり降ろされ処刑されると考え偽物だと証言する。

これで安堵したヘンリー7世は、ただの青年として雑用係を命じたが、青年を本物のヨーク公だと認識した国民が支持し反乱の予兆が表れた。

これにより青年はロンドン塔に連れて行かれ、テディと同じ牢に幽閉され、その後テューダー王家を脅かす種として2人は斬首刑にされた。

ただ、斬首用の斧で斬首されたテディに対し、リジーは青年には剣で斬首するよう指示している。

王の象徴として、せめてもの心遣いであった。

わが身を苦しめる呪い

当初、エリザベスとリジーは、エドワード5世を殺した人物が誰かを探ったが分からずにいた。

犯人を突き止めるために「犯人の家系は男児が生まれずに滅びる」と呪いを掛けたが、その呪いが今後のリジーを追い詰めることになる。

本作ではマーガレット・ボーフォートがエドワード5世とヨーク公の暗殺を夫スタンリー卿に指示していた。ヘンリー7世の母はマーガレットだ。つまりヘンリー7世の妻である自分に関わることになる。

その呪いを解かない限り、テューダー家は滅びゆく王家と言うことになる。

王母が犯人だと気づいたリジーは、息子たちを守るために呪いを解こうとしたが、母エリザベスはこの時点で死亡していたため呪いを解くことが出来なかった。

*自分と母とで掛けた呪いは、2人で解かなければならない。

呪いは解けぬまま、子供たちは成長し続編【スパニッシュ・プリンセス】へと続いていく。

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【ホワイト・プリンセス】の感想と評価

  Rotten Tomatoes評価  
 76%  83%
TOMATOMETER                  AUDIENCE SCORE

ヨーク復権を心に誓ったはずのリジーが、夫と子供たちへの愛で全く違う人物へと変わっていく様は人が持つ欲をあからさまに描いている。

ヨーク公リチャードは、リジーと2人だけで話した際、子供たちの身の安全は保証すると誓っていたがヘンリー7世に至っては”反逆罪”となると話していた。

それでも、リジーは決してヨーク公リチャードを本物と認めようとしなかったのは、夫への愛だけではなく今の地位を手放したくなかったようにも見えた。

マーガレット・ボーフォートも、息子ヘンリーが正当な王とずっと主張し続けたが、それも権力を欲するあまりのことだったのだろう。

その後も、テューダー王家だけではなく自分の地位を脅かす存在をすべて排除・処刑していたことからも伺える。

そして、その悪夢はキャサリン・オブ・アラゴンがアーサー王太子に嫁いだ後も続く。

Rotten Tomatoesでは【ホワイト・クイーン】より評価は落ちているものの、見ごたえのある歴史ドラマだった。

リジーは真っすぐで純粋な女性だが、その性格が弟かもしれない青年をも処刑させる惨さに繋がってしまったのかもしれない。

青年の処刑を回避することは出来なかったのだろうか、さらに精神的にも難があるようなテディを処刑する必要があったのだろうかと考えさせられる。

マギーは、弟のテディは王位継承権は辞退するし彼が生きていても王権を揺るがすことはないとずっと訴えて来た。

それでもヘンリー7世が彼を処刑したのは、「油断すれば王座を追われる」ことに怯えていたことに他ならない。

ヘンリー7世とリジーの暗黙の了解であり、テディの処刑はマギーとリジーの間に深い溝を生んだことだろう。*テディ、マギーとリジーは従姉