キャドー湖の失踪-ネタバレ考察と徹底解説、キャスト。1952~2022年を舞台にしたM・ナイト・シャマラン監督作。母の死の原因を調べているパリスと、行方不明になった義妹を探すエリーは、何かに引き寄せられるようにキャドー湖へと向かう―――。湖が干ばつした時にだけポータルが開くタイムリープ映画。
あらすじ

パリス・ラングは、母の運転する車に乗車していたが橋からキャドー湖に転落し、パリスは助かったものの母は”発作”を起こしそのまま帰らぬ人となってしまう。母を亡くしてからパリスは引きこもるようになり、恋人とも離れる。
それから仕事や車の運転も出来るようにはなったものの、母の死因は誤診だと疑わなかったパリスは母の死因について調べ始めた。
一方で、エリーは母との折り合いが悪く家にも帰らず友人の家で寝泊まりを続けていた。そんなある日、義妹のアンナとボートでキャドー湖を渡り買い物に出掛けた。買い物を終えたエリーは、久しぶりに家族の集まりに参加し食事をする。
母は数年前に行方不明になった夫を諦め、ダニエルと連れ子のアンナと暮らしていた。エリーは、行方不明の父を捨ててダニエルと一緒になる母に反抗していた。
そんななか、学校の書類をめぐって再び母と口論し、家を出て行ってしまった。エリーに懐いていたアンナは、エリーの後を追って行方不明になってしまう。
登場人物|相関図

主人公はパリスとエリーで、物語のキーポイントとなるのがアンナの存在です。アンナはダニエルの連れ子でエリーとは義姉妹になります。
エリーは行方不明のままとなっている本当の父のことを忘れられずにいて、ダニエルを父として認めることができずに母とぶつかることが多いのですが、ダニエルはそんなエリーの気持ちも受け止めつつ気にかけています。
母は父に恋人が出来て出て行ったと思っていますが、エリーはその理由を知らず帰りを待っています。
パリス・ラング役/ディラン・オブライエン

母の死を不審に思い調べ始め、仕事中に偶然キャドー湖で母の”カニ座”のネックレスを見つける。キャドー湖に不思議な空間があり、そこを通ると時代が変わることに気づく。
そのさなか、倒れている少女を見つけて抱きかかえ助けを求めに向かった。しかし、途中でダムが建設中の1952年にタイムスリップしてしまう。パリスは少女を作業員の男たちに預けてその場を立ち去り、キャドー湖の干ばつの時期にあることが起こると確信した。
エリー役/イライザ・スキャンレン

(ネタバレあり)エリーはシー(セレステ)とパリスの間に生まれた娘。行方不明の父親をずっと思っており、母がダニエルと一緒にいることが納得できず反発しています。1ヶ月以上も家で寝ることはなく、親友の家で寝泊まりしています。
アンナ・ラング(アンナ・ベネット)

⇔

(ネタバレ)アンナ・ラングとアンナ・ベネットは同一人⇔。エリーの後を追って行方不明になり怪我をして気を失っているところをパリスに助けられ、1952年の作業員に預けられました。パリスの実母で、橋から車ごと転落し溺死しました。
ほかキャスト
セレステ
ローレン・アンブローズ

ダニエル
エリック・ラング


シー役/ダイアナ・ホッパー

ベン役/サム・ヘニングス
エリーの解説

「キャドー湖の失踪」は、単純なタイムトラベルではなく、2つの時代を生きる2人の主人公がタイムリープする複雑な物語です。
そのなかで重要とされるアイテムは、カニ座のネックレス、橋、発作、いるはずのない蛾、オオカミ、キャドー湖の干ばつです。
タイムリープした際に副作用として耳から血が出る、手が震えるなどの症状が起きます。アンナは、昔いたけど今はいない”蛾の死骸”を見つけたり、エリーの友人がオオカミを見たなど一見するとわからないような空間にタイムリープの入り口がありました。(この空間は干ばつが回復すると消えてしまう)
蛾は飛んでいるさなかにその空間に入り、副作用が影響して現代で死骸となったようです。また、最初のシーンで無残に引きちぎられていたワニの死骸があったことから、オオカミもまたタイムリープしてきたのだと思います。
アンナが行方不明になったと連絡を受けたエリーは、ボートで向かいましたがほんの数分の間にボートが無くなっていました。
現代でエリーは抜けずにいたアンナの歯を抜いたのですが、この時のアンナの歯がまだあったのです。不思議に思いながらもアンナを家に送り届けました。実はエリーは1か月前にタイムリープしていて、家に戻ると母とダニエルが激怒していたため、本人もデジャブというような感覚だったのだと思われます。
ここでボートに乗ってキャドー湖に出ました。*数分でボートが無くなったのは、この時のエリーが乗って行ったためです。
再び湖に出たエリーは、タイムリープしても戻って来られるように木と腰にロープを結びつけます。そしてタイムリープしたのは2005年。そこで、車のルームミラーにアンナが持っていたカニ座のネックレスがぶら下がっているのを見つけます。
エリーは車に侵入してネックレスを手にしたところで、赤ん坊を抱えた車の持ち主の女性がやってきます。さらに彼女の車の中には大量のチラシがありました。チラシの男性は2003年に行方不明になったパリスでした。

エリーは、母親が赤ん坊をエリーと呼んだことや彼女が捜している男性が行方不明の父親であることから、赤ん坊は自分でその女性が母セレステだと気づきます。セレステは、ネックレスはパリスの母からもらったと聞いたエリーは、近くのインターネットの店でアンナについて調べました。
そして、アンナが教師として働いていたこと、ベンと結婚してパリスが生まれたことを知り、義妹のアンナが自分の祖母であると知ったのです。
これまでダニエルと連れ子のアンナを本当の家族ではないと思っていたエリーでしたが、アンナが過去にタイムリープして生き続けていたことを喜びます。
パリスの解説

アンナ・ラングは1999年に橋から車ごと転落して死亡しましたが、パリスは死因について納得できずにいました。そんなある日、仕事中に母アンナが持っていたカニ座のネックレスをキャドー湖で見つけます。
調べているうち、パリスはキャドー湖には時空間移動するエリアがあること、それが湖の干ばつ時に起こることを突き止め、母の発作も干ばつ時に起こっていたことが繋がりました。
パリスが調べているさなか、倒れて気を失っているアンナ(2002年)を助けるため森を抜けようとした時に景色が変わり、タイムリープしたことに気づきます。
既に完成しているダムがまだ建設中だったこと、近くにいた作業員の男たちから「1952年」だと聞かされたことで、持っていた資料を確認しすべてが干ばつと関係していることが分かったのです。
次にパリスがタイムリープしたのは2022年です。ちょうどエリーが2022年から2005年にタイムリープする瞬間で、エリーが道しるべにしていたロープを辿りボートを見つけます。ボートに乗って湖に出ると、橋が壊れていたため違う時代だと気づきました。


そこにアンナを探していた救助隊と出くわし追いかけられてしまいます。しかし、逃げる途中でボートが転覆し、病院に運ばれました。大した怪我ではないため警官に事情聴取されます。説明できないと思ったパリスは隙を見て、手錠をつけたまま窓から飛び降りて逃走しました。
それでもダムの上に追い詰められ飛び降りてしまいました。その直後にダムが崩壊。戻ろうと必死に泳ぎましたが干ばつが解消されたため、タイムループの空間が消えて戻れなくなってしまったのです。パリスはそのまま溺死してしまいました。
まとめ解説
エリーの義妹のアンナは1952年に連れていかれ、その時代を生きてきました。そしてベンと結婚してパリスが生まれ、セレステとパリスの間にエリーが生まれました。
エリーはダニエルやアンナとは血が繋がっていないと反発していましたが、実際はアンナはエリーの祖母、そしてダニエルは曽祖父ということで全員が繋がっていたのでした。
ラストではテレビでパリスがダムから転落し溺死したニュースが放送されていました。エリーはセレステに「彼だね。戻ろうとしたんだ」と小声で言い、2005年でプリントアウトしてきたアンナの写真を見せ、それが1952年の写真であることを伝えました。
セレステはエリーの頬の傷に触れ、車からネックレスを盗んだあの時の女の子がエリーだと気づいたのです。
また、冒頭でパリスがカニ座のネックレスを見つけたのは、エリーがタイムリープの空間が閉じる直前、2005年から2022年に戻ろうとしたとき木に引っ掛けてしまったものだと思います。
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