最終回【孤城閉〜仁宗、その愛と大義〜】67話・68話・69話のあらすじとネタバレ感想を結末まで紹介します。司馬光は梁懐吉を糾弾し続けていました。そんな中、趙禎は、梁懐吉の素性がかつて自分のせいで破滅した”梁家菓子店”の次男だと知り……。
67話のあらすじネタバレ
徽柔の自殺騒ぎを知った司馬光は、徽柔と梁懐吉の処罰を訴え続けます。
そんな中、灯市が催され、趙禎は街を一望できる店の上階へ後宮の妃や大臣らを連れて行きました。
街では恒例の“女相撲”も催されていましたが、司馬光は女性が肌を露出するのは破廉恥だという理由で廃止を訴えます。
徽柔がそれに反論して意見をぶつけると、趙禎はうまく場を収めました。
その後、趙禎は徽柔のため、梁懐吉を徽柔のもとへ戻すことに。
それを聞きつけた司馬光は強引に謁見を求め、梁懐吉を処罰するよう求めます。
趙禎は話を立太子の件にすり替え、梁懐吉の件をうやむやにしてやり過ごしました。
一方の李瑋は、徽柔に最後の贈り物だと言って離縁状を渡します。
67話の感想
このドラマを見ていると、諫官からしつこく迫られる皇帝も大変だと思わずにいられません。
あんなに執拗に迫られたら、精神的ストレスがヤバそうです。
諫官も諫官で、皇帝を不機嫌にさせるのを分かった上でしつこく諫言しなくてはならないわけで、それはそれで精神的にキツそうですね。
晏殊や夏竦なんかは、絶対に諫官には向いていないタイプ。
司馬光ぐらいのメンタルじゃないと、諫官は務まらないのかもしれません。
梁懐吉の件に関しては、司馬光の言い分も分かります。
でももう、徽柔と梁懐吉のことはそっとして置いてほしい（涙）
自らを糾弾して離京し、離縁状まで書いてくれた李瑋……。
徽柔には散々侮辱されてたくさん傷ついただろうに、徽柔の心の安寧のために離縁してくれるとは。
李瑋が嘉慶子と幸せになることを願います。
68話のあらすじネタバレ
諫官による徽柔への弾劾が激化し、梁懐吉の死罪を求める声さえ上がります。
そんな中、韓琦は梁懐吉の素性を知らせる密奏を提出しました。
密奏を読んだ趙禎は、梁懐吉が梁家菓子店の次男であり、幼くして売られて宦官になったことを知ります。
（梁家菓子店はかつて、趙禎の行いが起因となり破滅した）
梁懐吉の出自を知った趙禎は、もしも宦官になっていなければ、科挙に合格して民を愛する官史になっていたはずだと惜しみます。
その後の朝議では、相変わらず司馬光らが梁懐吉を糾弾しました。
趙禎は梁懐吉を朝議の場に連れてこさせ、重臣たちの前で言葉を尽くして梁懐吉を守ります。
しかし司馬光は納得せず、死をもって諫言しようとしました。
そこへ突然、操り人形を手にした徽柔が、司馬光が昔作った詞を歌いながら現れます。
徽柔は司馬光に「この詞を作った時、情愛はあった？この歌の女子はどこに？愛は罪なの？」と訴えかけました。
そして、皇族である自分たちは この人形のように感情なく生きるべきなのかと泣いて訴えます。
そんな徽柔を、梁懐吉は外へ連れ出しました。
徽柔の退出後、趙禎は民の命の大切さを語り「梁懐吉も民のひとりである」と説きます。
そして、李瑋の証言をもって梁懐吉の善良さを説こうとしました。
「李瑋がこう証言している。梁懐吉は夫婦円満のために尽力し、火事から命がけで楊氏を救ったとな」
李瑋の証言を聞いた司馬光はようやく納得したものの、1つだけ理解できないことがあると言い、なぜ徽柔を厳しく教え諭さないのかと問いました。
趙禎は、床に落ちている操り人形を拾って答えます。
「あの子は操り人形などではなく、1人の人間だからだ」
68話の感想
歐陽修～～～！分かってらっしゃる！
過去にはいろいろと問題もあった歐陽修ですが、ここ最近の彼は趙禎の良き理解者ですし、今回もナイス援護でした。
このドラマは、人間の一面だけを見せるのではなく、良い悪いも含めて描かれているように思います。
司馬光にしたって、かつては梁懐吉を助けてくれたこともありました。
また、司馬光が作った詞の内容から察するに、過去には深く愛した女性もいたのでしょう。
つまり、司馬光も決して無情な人間ではないということですね。
趙禎の言うように、皇族は民の模範であるべきではあるけど、感情のない人形ではなく1人の人間なのですよね……。
このドラマを見ていると、それが ひしひしと伝わってきます。
特に趙禎は、これまで見てきた「皇帝」の中でも人間味に溢れているように思います。
最終回（69話）のあらすじネタバレ
趙禎はついに趙宗実を太子に立てました。
そんな中、病の徽柔を心配する苗心禾は趙禎に、梁懐吉を徽柔のそばに置かせてほしいと頼みます。
趙禎はそれには答えず、お忍びで徽柔を灯籠工房へ連れて行きました。
工房で幼い少女が働いているのを見た徽柔は、「まだ小さいのだから仕事をする必要はないわ」とやめさせようとします。
すると、少女は「仕事を頑張れば、元宵節の日に皇族のお顔を見れるの」と嬉しそうに話しました。
徽柔は帰りの馬車の中で、自分は民が望む「菩薩」、つまり操り人形として生きなくてはならないのかと趙禎に問いかけます。
趙禎は、自分たち皇族は操り人形ではなく「凧」になろうと言いました。
民にとって、太陽のように仰ぐ存在でありつつ 飛ぶ方向を調整できる凧に。
話は梁懐吉のことになり、徽柔は梁懐吉と一緒に居られるなら、たとえ庶民になって毎日働くことになっても構わないと言います。
しかし、趙禎は、梁懐吉を徽柔のもとに戻せば司馬光や諫官たちが再び糾弾するだろうし、自分が生きている間は梁懐吉を守ってやれるが、一生は守り切れないと諭します。
それを聞いた徽柔は、梁懐吉を手放すことを決意し、趙禎にお願いしました。
「懐吉を孤城から出してあげて。私の代わりに、外の世界を見て 苦しみや楽しさを感じてもらいたいの」
趙禎は、実はすでに梁懐吉を兄の梁元生のもとに送ったことを教えます。
数年後――。
趙禎はふと思い立ち、2つの絵を引っ張り出しました。
それは遠い昔、曹丹姝が趙禎に贈った絵と、趙禎が描いた曹丹姝の姿絵でした。
趙禎はその絵を床に広げて感慨深く眺めた後、曹丹姝を福寧殿に呼び寄せます。
曹丹姝が福寧殿に到着した時、趙禎は胸を押さえて苦しんでおり 言葉を発することもできませんでした。
趙禎は曹丹姝に支えられながら、自分が若き頃に描いた曹丹姝の姿絵を指さしました。
曹丹姝はその絵を見てはじめて、趙禎が昔から自分のことを想ってくれていたのだと知ります。
趙禎は最後に彼女を抱きしめ、この世を去りました。
趙禎の崩御後、宋実が即位します。
宮中が悲しみに包まれる中、徽柔は趙禎の死を受け入れられないのか、曹丹姝に「父上はまだ朝堂に？懐吉も一緒？」と尋ねるのでした。
その後――。
徽柔は曹丹姝に連れられて郊外の学堂へ。
徽柔は梁懐吉がいることを知ってか知らずか、梁懐吉のいる部屋に向かって手を振ります。
徽柔が立ち去った後、部屋から出てきた梁懐吉は、かつての趙禎の言葉を思い出して拝礼しました。
《全力を尽くしても朝廷の均衡を保つことしかできぬ。民に与えられるのは、安寧だけだ》
＜完＞
最終回（69話）の感想
結局、趙禎が宋実を太子に立てたのは最終話でした。
史実では、宋実は即位してたったの3～4年で崩御してしまったようです。
また、徽柔も史実では33歳という若さで逝去。
ドラマとは違い、李瑋から酷い扱いを受けていたのだとか（涙）
作中での徽柔は最後、正気を失ったような感じでしたね。
趙禎も懐吉も失い、心が耐えきれなくなったのでしょうか。
徽柔と懐吉の結末は、とても悲しく寂しいものになってしまいました。
以前の感想でも書いたのですが、2人の来世のスピンオフが欲しすぎる！
そして、趙禎の崩御も悲しかった……。
でも趙禎は、生まれ変わってもまた皇帝になりたいと言っていたことから、自分の人生を悔いたり悲観したりはしていないようですね、良かった。
曹丹姝とはすれ違いの期間が長かったけど、後半は心の距離も縮まり、最期も彼女の腕の中でした。
趙禎が、実はだいぶ昔から曹丹姝を想っていたとは、嬉しい驚きであると同時に切なくなってしまいました。
もっと早くに2人の心が通じ合っていれば、と思わずにはいられません。
全体を通して感じたのは、登場人物にリアリティがあるということ。
エンタメ寄りではなく、リアル寄りの人物像だったように思います。
皆 心のどこかに貧しさを抱えていて、極悪人がいるわけでもなく、聖人すぎる人もいない。
そんなリアル寄りな登場人物ばかりだったからこそ、彼らの感情もまたリアルに感じられました。
ストーリーに派手さはありませんが、静かに心に訴えかけてくる作品で、もう一度見てみたいと思える素敵な作品でした。
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