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「君子盟(くんしめい)」14話・15話・16話のネタバレ感想|前回の種明かし

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事件解説:千秋儀鳳凰像盗難事件の真実

実は前回の解説では、物語を追う人が騙されたポイントを、敢えてまことしやかに書いてありました。13話まで見た人は、玄機が太后のために鳳凰像盗難事件を初めから仕組み、柳太傅を陥れようとしていたと考えたことでしょう。

実際に、常巍の家には玄機からの「二十年前の手紙」が残っていたし、千秋儀を監督していたのは玄機なのだから、まさか、その玄機が知らないところで、常巍が匠としてそこで働けるはずがない。孔明灯の材料となる台座や、布覆い、油を持ち込むには必ず手引きをする人が必要です。

鳳凰像盗難事件が起きても、責任者である玄機はうろたえていなかった、つまり彼は始めからこの成り行きを知っていてコントロールしていたと。

ところが、意に反して、玄機は、この事件にはほとんど関わっていませんでした。

彼は保身に長けるだけの人物だったので、たとえ鳳凰像が本当に盗難されてしまったとしても、柳太傅さえ陥れることが出来たら太后に面目が立つと思い、この事件を利用するつもりだったのです。

そしてその思惑が外れた時、玄機は死んだと偽って都から逃げるほかなかったのです。

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謎の人物の狙い

前回、どこまでが偶然で、どこからが謎の人物によって仕組まれたものかはわからないと書きました。実は、謎の人物は鳳凰像が盗まれた手口を蘭珏や張屏に知られなければならなかったのです。

そのことと、血霧の毒と、二十年前に起きた摩籮村の事件の関連性に気付いて貰わないといけませんでした。

馬おじさんと、その息子・子易がどこまで謎の人物と関わっているのか、あるいはまったく関わっていないのかはわかりませんが、摩籮村のことを告げたのも鳳凰像が偽物だと張屏に気付かれるきっかけを作ったのもこの二人でした。

そして、摩籮村の生き残りかもしれない玄機と相打ちで死んだ男。彼は、毒犯の頃からずっと蘭珏と張屏の傍にいました。飛花閣でも大理寺でも千秋儀工房でも。

そんな風にいろんなところに神出鬼没で出入りする(させる)ことが出来る力を持ち、二十年間も必死に事件を追ってきた蘭珏でさえ全く見当もつかなかったような事実を知り尽くしていて、蘭珏と張屏が手掛かりを得たかと思うと口を封じて行く手際の良さと組織力。

はたして、この謎の人物の本当の狙いとは何なのでしょうか。

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事件解説:蘭林の罪

玄機によると、蘭林は、妖女に騙されて鏡花水月の術を掛けられ、南征軍の情報をすべて南棟の手先である摩籮村の村人たちに話してしまったとのことです。

鏡花水月の術は確かに心の中にあることを何でも明らかにしてしまい、隠し立ては出来ません。蘭珏自身もその術を試したことがあるので、その効果ははっきりと理解しています。そのため、蘭珏は玄機の話を信じてしまいます。

つまり、蘭林は確かに通敵叛国の犯罪を犯した。だけどそれは、妖女の術にかかって無意識化で行ったもので、本人には悪意のないものだった。悪いのは、蘭林を騙した悪魔のような摩籮村の村人と妖女だということ。

ですが、蘭林の中書侍郎という職掌からすると、どちらかというと秘書的、立法府的な役職であって、軍とも兵器とも糧食の管理とも、ましてや戦況に関する情報とは程遠い職域にあるので、彼が知っている程度の情報で果たして南棟に利益を与えることが出来るのかというと、疑問です。

南棟への軍備に関する情報のリークは実際に起きたのでしょう。しかし、果たして摩籮村の妖女が標的とする官僚が中書侍郎ということがあるのでしょうか。妖女は本当に蘭林を騙したのか。

なぜ、わざわざ蘭林は都から数カ月もかかる摩籮村まで旅したうえで秘密を明かす必要があったのか。本当に彼の持つ秘密を知るために摩籮村まで連れて行かれたのか。

玄機の話には不合理なことが多過ぎるのです

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