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「君子盟(くんしめい)」24話・25話・26話のネタバレ感想|過去の事件総括つき

バディ
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作品情報

「君子盟」第24話、第25話、第26話のネタバレあらすじ。

摩籮村の事件と鏡湖氏はどんな関係があるのか。呪禁科で毒に侵され倒れた二人を救ったのは、かつて蘭珏の知己だった辜清章でした。

しかし、張屏は彼が夜中に訪れた鏡湖氏と声や物腰が似てると気付きます。親友を疑いたくない蘭珏と張屏は、また対立することに。

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「君子盟」これまでのお話

ある目的のため暗躍する麗しき官僚と天才的推理力を持つ貧乏書生。
正反対の2人が都で起きる不可思議な事件を解決しながら、宮廷内の「禁断の秘密」へと迫る-
美しき男たちの熱い絆とスリリングな展開に胸躍る、極上のミステリー時代劇!

「君子盟」ドラマ公式サイト

さらわれた太后を探しに呪禁科を訪れた一行は、火に包まれた祭壇と血塗の文字が書かれた石板、そして瀕死の大やけどを負った太后を発見します。

その後再び手掛かりを探しに来た蘭珏と張屏は、不思議な医者・辜清章と出会います。かつての旧交を懐かしむ蘭珏と対照的に、張屏は辜清章に怪しい気配を感じます。

南棟国とのいざこざは激化し、皇帝は自ら兵を率いて親征し王硯も従軍して都を離れます。一命をとりとめた太后は、摩籮村の残党を捕らえるべく張り紙をしました。

官兵たちが張屏を捕らえに来たことを知り、逃がそうとした師父は殺されてしまい……

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24話:摩籮村の惨劇

岭南秘境 有村摩籮
水之清波 山之嵯峨
蟄伏廿年 只待今日
手刃仇敵 痛飲狂歌

岭南の秘境に摩籮村がある
澄んだ水と 険しい山々
二十年の眠りから醒め 今日の日を待ちわびる
仇敵を手にかけ 浴びるほど酒を飲み 歌って祝おう

大切な師父を奪われた張屏は、怒りに我を失いそうになっていました。師父の姿、陶寺卿の最期、石碑に書かれた文字、それらの点が繋がって形作られたものと、強大な力の前に踏みつぶされる人々の無念、そして鏡湖氏の言葉が心に蘇ります。

過去はあまりにも重すぎる。私の計画が達成されたとき、あなたも 因果を理解するだろう。

それでも鏡湖氏のようなやりかたはしない。それが張屏の決意でした。摩籮村に戻って真実を突き止め、私なりの方法で師父と仲間の仇を討ちますと言い残して都を後にします。

三か月後、都では蘭珏も信じてはいるものの、あまりにも偶然が多い辜清章のことを調べずにいることはできないと従者に後をつけさせます。

辜清章は怪しいそぶりもなく、薬草を摘んだり薬を調合しながら暮らしています。そして眠れぬ夜、とうとう直接話を聞きに辜清章の元を訪れます。

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「佩之、きみは本当に私のことを理解しているだろうか。」辜清章の言葉に、一層頭が混乱する蘭珏です。

一方、地図を頼りに摩籮村を探す張屏は、確かに村の近くにはいるはずなのにどうしても見つけることが出来ずにいました。瘴気にあたって意識が朦朧となりながら、女性が自分を「苦若 (クールオ)」と繰り返し呼ぶのが聞こえます。

張屏が気が付くと、王硯に助けられていました。事情を尋ねると、戦況は振るわず数では勝っていても瘴気で兵力は落ち、膠着状態が続いているとのことでした。

王硯は偵察のために一軍を率いて来たけれど、道に迷ってしまい待ち伏せを受け敗走しているそうです。食料も水も不足していました。

話をしていたところ突然敵の襲撃に会い、王硯たち一団は張屏を背負って森を逃げまどいます。どこをどう走っているかわからない中、張屏は急に「この先に滝がある」と言い出します。

そして滝の中に入れと言ったまま気絶してしまいます。敵がすぐ後ろに迫っているため王硯たちは言う通りに滝に入ると、奥が洞窟のような抜け道になっていました。

敵をうまく巻いたのは確かですが洞窟の外の状況はわからないので、そのまま朝まで休もうと王硯たちも一息つきます。

張屏は気絶したまま幼いころの夢を見ます……

感想

張屏の母親・阿娘の清楚さ、優しさ、清らかが一層事件の痛ましさを誘います。素朴な人たちの暮らしを欲望のために踏みにじる。このドラマは本当に、合わせ鏡のような親子たちが描かれていて、希望と絶望がごちゃ混ぜの感情を掻き立てられてしまいます。親の影響って大きいよなあ。でも、教育で人は変われるかもしれないし、でもやはり、その教育を受ける機会も親次第。むむーん。社会が幸せな子供、君子を育てられるようになるといいよねえ。

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25話:道心藏玉

世の中の人々の苦しみはその人の心に留まり、次第に心の病気になってしまうのよ
水鉢は悩める人々を癒すために使うことができる
目を閉じるのよ
風に感謝して、石にも、木々にもよ
最も純粋な場所で、最も純粋な心を感じさせてくれたことに感謝するの
ここは世界で最も純粋な場所なのよ
あなたは それを心で感じるの

鏡花水月は人の恐れや悩みを顕在化させ、立ち向かう勇気を与えて苦しみを消すための術だと阿娘は張屏に教えます。

蘭府にやってきた阿娘と苦若(張屏)は、蘭林に連れられて摩籮村に小龍を迎えに行きます。善意の人 蘭林は、実の息子が生きていたことを太后が喜ぶと信じていました。

他の政治勢力に知られては妨害されるかもしれないと、一日も早く二人を再会させようと村へと急ぎます。

懐かしい村が見えたそのとき、蘭林は玄機と兵士たちの姿に気が付きます。太后にしか伝えていないのにどこから話が漏れたのか驚きますが、蘭林はとりあえず兵士たちを食い止める間に小龍を逃がすよう、阿娘から村人たちに伝えさせようとします。

兵士に追われた阿娘は村に近寄ることが出来ず、森へと逃げ込みます。有無を言わさず矢を放ってくる兵士たちに死を覚悟した阿娘は、苦若(張屏)に、秘密が知りたくなったら水の底を探すよう言い残して、かくれんぼをしようと言い、苦若(張屏)を逃がします。

囮になって土笛を吹きながら、できるだけ遠くまで離れようとする阿娘。とうとう矢に射られて息絶えてしまいます。

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目を覚ました張屏は王硯に「摩籮村の人々は医術で人を癒す善人だった」と告げ、母が遺言で水の下を探れと言ったことを伝えます。張屏と王硯は水の中から慶豊十五年に生まれた、皇子の出生証明書を見つけました。

張屏の生家を訪れる二人。張屏はそこに母と、兄と三人で住んでいたことを思い出します。兄の名は小龍。自分の名前は苦若。苦若は摩籮村の言葉で仔犬のことを指します。

村では子供たちに、犬や猫といった幼名をつけます。しかし、兄の小龍はそういった伝統的な名前ではなく……その音は清章。

一方、蘭珏は辜清章と暮らした中州の小屋を探します。仕掛けを見つけて開けて見ると、そこには蘭府の地図がありました。辜清章は蘭珏の存在を知っていて近寄って来たのです。

そして、辜清章からすべてを明かされる蘭珏。ただ権力と欲を満たすためだけに多くの人を殺し、踏みにじった太后の悪事の全容を改めて知り怒りに震えました。

辜清章は復讐のために都に戻ってきたと言い「千秋儀大典で太后の悪事を暴き、天下を混乱させる。準備が出来たら宮中で会おう」と、蘭珏に宣言します。太后の火傷を治す辜太医として、宮中に上がると……

感想

安全な場所で、怒りや恐怖を再体験したり、泣くことは癒しになると言います。絶対に安全だとわかっている場所で心の葛藤を解きほぐし、追体験して慣れていくことで、負担が軽くなるそうです。涙活が流行したのもそういうヒーリング効果だそうですね。そういう意味では鏡花水月って理に適ってるかもしれない。悩みが多い現代に実在すると良いのになあ。

※ 道心藏玉 — 道を究める者の心(道徳心)は、隠された翡翠の玉のようなもの

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26話:帝徳廣運

都に戻った張屏は摩籮村の残党として指名手配されていました。陳籌を見かけて声を掛けようとすると、太后の花荷車に遮られます。

何を運んでいるのかよく見ようとしたところを怪しまれ、官兵に追われるも騒ぎに気が付いた陳籌の機転でかごに隠れて難を逃れました。

陳籌は、蘭珏に会いに行こうとする張屏を必死に止めて家に連れ帰ります。城門が開き次第、外へ連れ出してやるので二度と都には戻るなと厳命します。

陳籌にとって最も重要なことは張屏を生かしておくことだと真剣に頼み、どうしても出て行くなら死体を超えて行けと階段に座り込んで阻みます。

張屏は、陳籌が居眠りしたところをそっと抜け出し、蘭珏の馬車に近付き手紙を渡します。目が覚めた陳籌は眠ってしまった自分を責めますが、張屏が自分の好物ばかりを作っておいたのを知り泣きながら食べました。

蘭珏と落ち合った張屏は辜清章が本物の皇子で、現皇帝とすり替えられたことを告げます。蘭珏も本人からそのことを聞いたことを伝え、彼が千秋儀大典で天下を混乱させるつもりと話しました。

あまりにも多くの罪を犯した太后を到底許すことは出来ないし、また、断罪する方法が見つからないのは事実です。

それでも、辜清章の復讐に燃えたやり方では罪のない人々の命が顧みられません。もし彼が式典で事態を悪化させれば、少なくとも宮廷は大混乱に陥るし天下も大混乱しかねないのです。

祭典は大掛かりなもので、何万本もの貴重な月下美人で宮殿は飾られました。藩王や外国の使節たちも招待されています。

今の解決策はただ一つ、太后にすべてを打ち明けて祭典を中止させること。ただし、太后に打ち明ければ当然命が狙われることはわかっています。なんとか皇帝が戦から戻ってくるまで生き延びることが出来れば……

君子不苟求
求必有义 
君子不虚行
行必有正 

君子は求むべからず
常に義理があること
君子は決して無駄なことはしない
行動は正義に従う

何をすべきかようやくわかりました。しかし、父上の汚名を晴らせないかもしれません。蘭珏は父に語り掛けます。

翌日、辜清章の部下を装い含元殿に忍び込んだ張屏は、太后が大声が出せないよう針を打ったあと真実を伝えました。経緯を伝えられた太后は怯えたような顔します。

一方、蘭珏は辜清章の注意を逸らすために酒を持って訪問します。いつか不正が明かされたらあの頃に戻れるだろうかと過去を懐かしみ、掛け軸を辜清章に渡すと共に復讐を果たすと誓います。

死别已吞声
生别常惻惻
故人入我夢
明我長相憶

死に際の別れに声を飲む
生きながら別れることはいつも痛ましい
旧い友が夢に現れた
思い続けるのを知っているのだろう

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そのとき、使いが「外から弟子という人が含元殿に来たが何かあったのか」と尋ねに来ます。辜清章は蘭珏を足止めして急いで含元殿に向かいます。

苦若と幼いころの名前で張屏に呼びかける辜清章は、思い出話をした後、自分と共に復讐を遂げるかと持ち掛けます。「私は決してあなたの味方にはならない」と断る張屏に、「辜清章は太后が彼を生まなければ、阿娘が彼を救わなければ、血霧の毒で死んでいたら、蘭珏の毒が解毒できなければ自分がどんなに幸せだっただろうか」と胸の内を訴えます。

すべてを知った今でも、私の痛みを感じることが出来ないのかと、辜清章は張屏に殺された師父が城楼でさらし者になっていたことを告げます。そして横たわる太后を殺せと詰め寄りました。

小刀を持った張屏は一瞬怒りでさやから刀を抜きますが、憎しみは憎しみで癒すことはできないとやはり断ります。

刀を奪った辜清章は眉一つ動かさず横たわる太后を刺し、足止めされていた蘭珏が駆けつけた時すでに彼女は息を引き取っていました。太后が殺された。誰が殺したか見ていただろうと尋ねられた蘭珏は、犯人として張屏を名指しします。

感想

高校の世界史の先生が、孔子や孟子が大好きな方で、授業を脱線してよく逸話を話してくれました。古文・漢文の授業よりもよほどたくさんの話を聞いた気がします。現代でもなるほどな―と思う逸話もあったり、そういう風に生きられればカッコいいよなあって憧れることもあったり。君子四不は確かその時に聞いたはずだけど、すっかり忘れていて、頑張って調べたんだけど、これで合ってるのか自信なかったり。ああ、教養って大事よね。もっとお勉強しておくべきだったかも。ちな、私が理想主義者なのはあの先生の影響が多少あるかもしれない。あっ、曹操が好きなのは間違いなくこの先生のせい!

※ 帝徳廣運 — 皇帝の威信はあまねく影響する

事件の詳しい解説は次ページから