錦戸亮が主演のドラマ『トレース』第9話が放送されました。
今回は、最終話付近ということもあり”人情話”が前面に出ているような事件でした。
真相に近づけば近づくほど、被害者と容疑者の”深い愛”が浮かび上がってきます。
また、真野と虎丸刑事の深まる信頼関係も見逃せません。
それでは、『トレース』第9話のネタバレ解説をお届けします。
『トレース』9話のあらすじ
ドラマ『トレース~科捜研の男~』9話「今夜、最終章開幕 忍び寄る過去の悪魔
」で起こった事件で死亡したのは胡桃沢綾乃。
綾乃は、自宅のアパートで、鈍器で殴られて死亡しました。
容疑者は元恋人の富樫と推定。富樫は、傷害罪で服役していたけれど仮出所をして綾乃に会いに来たのでした。
綾乃には現在は別の恋人がいること、部屋に富樫の指紋があったこと、目撃情報があったことから、富樫は容疑者として追われることに。
富樫は一貫して容疑を否認しますが、状況は不利になる一方で……!?
ドラマ『トレース』第9話の解説
容疑者・富樫の過去
富樫の父親は犯罪歴があり、そのため富樫は常に”犯罪者の息子”というレッテルを背負って生きてきました。何か事件が起こるたびに、真っ先に犯人だと疑われる人生を送ってきた富樫。
そんなある日、富樫はバイト先で綾乃と出会います。バイト先で売上金が盗まれた時、いつものように富樫が疑われました。
誰もが富樫を疑う中、綾乃だけは富樫を信じ、時間をかけて真犯人を見つけ出します。その一件以降、富樫にとって綾乃はかけがえのない女性になったのでした。
7年前
7年前、富樫は綾乃との結婚資金をためるためにとある会社に就職をしました。しかし、その会社は暴力団と絡んでおり、法に反するような仕事をしていたのです。
富樫は仕事をやめるにやめられず、暴力団のひとりともみ合ううちに刺し殺してしまいます。その時に富樫を逮捕したのが虎丸刑事でした。
虎丸は、幾度にもわたる面会の中で、富樫の人柄を知り、富樫ならきっと更正できると信じていました。
しかし、仮出所となった矢先、綾乃の殺害容疑で追われることになってしまった富樫。虎丸の心境は複雑だったに違いありません。
真野の苛立ち
真野は、“武蔵野一家殺人事件”について調べていましたが、新たな手がかりは見つからないまま。
協力者である元担任・早川も「調べてみたけれど、真野の姉(妊娠3か月)が当時誰かと交際していたという情報はなかった」と言います。
真野も、姉の解剖医を探したけれど消息不明。一向に真相の糸口が見つかりません。
早川は、警察の力を借りないとこれ以上の情報を得るのは無理だと言いますが、真野は「警察は信用できない」と言い張るのでした。
“武蔵野一家殺人事件”の手がかりが一向に見つからないせいか、今回、真野の言動には苛立ちが見受けられました。
富樫容疑者のことで「あいつはやってない」と憶測を口にする虎丸刑事に対して、真野は「仮釈放中に再犯したなんて知れたら体裁が悪いんですか」と突っかかります。
真野の突っかかり方は、いつもとは違い、明らかに苛立ちを含んでいました。
以前なら、間違いなく怒鳴り返したであろう虎丸ですが、今では受け流すだけの余裕と絆があるようです。
バラの花粉
殺害された綾乃の頬には擦り傷があり、鑑定した結果、バラの花粉が検出されました。事件当日、富樫は黄色のバラを持って綾乃のアパートを訪れており、ますます富樫にとって不利な状況になってしまいます。
しかし、富樫が購入したという店のバラを調べると、花粉の成分は不一致。真野は、無実を証明する他の手立てを見つけるために、何でもいいから事件当日のことを教えてくれと富樫に問いました。
真相
富樫の証言をもとに、真野が現場で再現をすると、あることに気づきました。
・綾乃の顔に当たっていた光は、外のパチンコ屋のネオン
・鑑識がとった写真ではクローゼットの扉が開いていた
・しかし、クローゼットの扉が開いている状態だと、窓からの光が遮られるので、綾乃の顔に光が当たるはずがない
・つまり、富樫が綾乃の遺体を発見したときには、クローゼットの扉が閉まっていたことになる
・犯人は、富樫がいなくなったあとにクローゼットの扉を開いたと推測される
以上のことから、富樫が綾乃のアパートに到着した時、犯人がクローゼットに隠れていたと考えられます。
真野はさっそく、クローゼットの中を鑑定。すると、クローゼットの中から、綾乃の婚約者である関口の指紋が見つかりました。
綾乃の婚約者・関口は犯行を自供。
話によると、本当は綾乃とは交際すらしておらず、一方的な片思いだったとのこと。綾乃は、富樫が刑務所に入ってる間も富樫のことを忘れられず、嫉妬した関口が綾乃を殺害したのです。
ドラマ『トレース』第9話の感想
第1話では、火と油のような関係だった真野と虎丸刑事。しかし今となってはすっかりお互いを理解しあって、良い関係のように思えます。
今回、いつものように刑事のカンで憶測を口にする虎丸刑事。真野もまたいつものように「憶測なんてくだらない、鑑定結果が全て」と言います。
以前なら、その真野の言葉につっかかっていた虎丸も、今では「そうだな」と微笑んで肯定するまでになりました。
しかも今回は、事件を担当から外された虎丸が、個人的に真野に依頼する場面も見られました。
頭を下げて「頼む」という虎丸。虎丸の性分からして、誰にでも頭を下げるタイプの人間ではありません。つまり、虎丸にとって、真野はそれだけ信頼に値する人物だということでしょう。
真野も、虎丸からの個人的な依頼を快諾。
虎丸の弁は、真野が嫌っている”憶測”や”カン”ばかりでしたが、それでも快諾したのは、虎丸から切実な思いを感じ取ったからでしょう。それに、真野も虎丸に対して信頼の気持ちを抱いているのだと思います。
これからも良い関係を築いていって欲しいですね。